多彩な新戦力獲得へ独創的な演出 大阪の福祉就職フェア
多彩な新戦力獲得へ独創的な演出 大阪の福祉就職フェア THE PAGE大阪
大阪府社会福祉協議会大阪福祉人材支援センターがこのほど、大阪市浪速区の府立体育会館で新卒者と既卒者を対象とした「福祉の就職総合フェア」を開催し、求人法人のブースで、熱心な面談が行われた。福祉分野では社会的ニーズが高まる半面、人材不足の局面が続く。浴衣姿でリラックス・プレゼン、ゆるキャラ登場、週刊誌の車内吊り広告風ポスターなどの独創的演出で、多彩な新戦力をスカウトしようという試みが相次いだ。
これからの福祉は交渉能力や商品企画力で勝負
フェアは2日間開かれ、府下の福祉関連約300法人が出展した。福祉職は社会的弱者をサポートする使命感に満ちた仕事である一方、労働条件が厳しい割に給与が安いなどの理由で、就職先としての福祉分野への関心がなかなか広がらない。 こうした流れを変えるため、主催者の若手担当者は「新卒者に関しては、福祉を専門に学ぶ学生以外の学生を、いかに福祉の世界へ導くか」という問題意識を重視してフェアを企画したという。 たとえば福祉法人が就労支援の一環として、障害を持つ人たちのものづくりをサポートし、完成した商品を販売して自立を促す活動に取り組む。近年、経済界で社会貢献への関心が高まり、百貨店などの有力企業がパサー会場を提供する環境が醸成されてきた。 若手担当者は「そうした場合、福祉法人のスタッフには、バザーを成功させるための交渉能力や商品企画力が要求される。福祉に限らず幅広い知識や経験を持つ人材の出番であり、福祉分野は多様な人材が活躍できる分野になりつつあるという新しい風を吹き込みたい」と意気込んでいた。
女性スタッフが浴衣姿で涼しげにプレゼン
こうした主催者側の熱意に呼応するかのように、求人法人側にざん新な取組みが随所に見受けられた。 女性スタッフが涼しげな浴衣姿でプレゼンするのは、NPO法人み・らいず(大阪市住之江区)。キャリア3年の若手スタッフが採用リーダーを担当。「福祉のイメージを変える仕事を広げていきたい。ぜひ会社説明会に来てください」と、柔らかい口調でブースを囲んだ学生たちに呼びかけた。 ゆるキャラが登場したのは、特別養護老人ホーム「寝屋川石津園」を運営する社会福祉法人たちばな会(大阪府寝屋川市)のブース。ゆるキャラは職員手作りの「石づっしー」で、園内のイベントで高齢者や子どもたちに人気があるため、就職フェアにも出張してきた。愛らしいゆるキャラがいるだけで、ブースの雰囲気が和み、採用担当者と学生たちの会話も弾んでいた。