「芸能プロが犬猫をタレントとして飼うなんて…」 窮地のスウィートパワーが「動物部門」を作った舞台裏
タレントの芸能プロ退社は、もはや目新しいニュースでもない。だが、こちらの事務所はいささかワケが違う。11月11日、女優の桜庭ななみ(32)が「スウィートパワー」を退所したと発表した。目下、名門芸能プロは苦肉の策を講じていて――。 【写真を見る】「宣材写真を見て仰天」 タレントのように犬猫を売り出し中のスウィートパワー ***
「スウィートパワー」といえば、堀北真希や桐谷美玲、黒木メイサ、内山理名など、多くのトップ女優が輩出した芸能事務所だ。が、結婚を機に引退した堀北を筆頭に、彼女たちはみな退所している。 芸能デスクによれば、 「かつては所属タレントが女性だけ。社員が全国に赴いて逸材を発掘するスカウト能力に定評がありました。女性である岡田直弓(なおみ)社長が率いることもあって“女版ジャニーズ”とも呼ばれていた」 この岡田社長がなにかとお騒がせで、 「これまで度々、タレントや社員に対するパワハラやセクハラが報じられてきました。2022年まで所属していた俳優の岡田健史とは契約を巡って裁判沙汰になったほどです」
「手渡された宣材写真を見て仰天した」
その岡田は退所とともに水上恒司と本名に改名。再出発を果たしたわけだが、 「今回、桜庭も独立にあたって本名の〈宮内ひとみ〉に改名します。事務所はホームページで〈円満に契約を終了する運びとなりました〉と発表していますが、どうしても岡田の件を思い出してしまいますね」 かつての勢いを失い、所属タレントに看板を背負える売れっ子もいない。すっかり尾羽打ち枯らしたかに見えるが、そこは辣腕社長だ。転んでもタダでは起きない。 「ある日、『スウィートパワー』のマネージャーがアポなしでやってきました」 とは、さる民放プロデューサーである。 「タレントの売り込みかと思って、手渡された宣材写真を見たら仰天しましたよ。猫1匹と犬2匹の大きな写真だったんですから」
好きな食べ物「ちゅーる」
なんと、所属タレントが続々と流出する中で、犬や猫を売り込んでいるのだ。 「マネージャーの名刺には〈アニマル担当〉とありました。“動物部門を始めました。なんでもやります”と言うのですが、正直キツいと思いましたね」 事務所のサイトには〈アニマルパワー〉なるページがある。そこには猫の「まる」、犬の「ヴァニー」と「ぴょん太」の“宣材写真”が掲載されている。 さらに、例えば「まる」のプロフィールには〈趣味 走り回ること、人の足にからまること〉〈好きな食べ物 ちゅーる、カリカリ〉など、しっかり“タレント”の基本情報が書き込まれているから念入りなことである。 プロデューサーが続ける。 「三匹のうち代表作が記されているのは“まる”だけで、3年前の『真犯人フラグ』(日テレ系)でした。古くは木之内みどり主演の『刑事犬カール』に始まり、安達祐実の『家なき子』の“ピュンピュン”、アイフルのCMでおなじみになったチワワなど、アニマル名優がいないわけではありません。『南極物語』や『子猫物語』といった、犬猫で歴史的興行収入を得た映画もある。ただ、ドラマ部が動物をキャスティングするときには、動物専門のプロダクションに頼むのが通例なんですよ」 とした上で、 「大手芸能プロが犬猫をタレントとして飼っているなど聞いたことがありません。かつてのトップ女優の宝庫がここまできたかと、ショックですね。動物は“ギャラを上げろ”なんて文句を言わないにしても、“当たる”確率は宝くじ1億円級の難易度でしょう。厳しいと思います」
「週刊新潮」2024年11月28日号 掲載
新潮社