木村カエラさんが思う自分らしさとは。『「嘘をつかない」ってことかな。人にも、そして自分にも』
「明日の私をMAKEしよう」 木村カエラのカラフル20年史★
創刊20周年を記念したスペシャル連載第四回の今回は、デビュー20周年を迎えた木村カエラさんが登場。いつも明るくポジティブな光を放つ彼女には、優しさと瑞々しさ、気合いが溢れていました。 【写真】木村カエラさん
現実は白黒。夢や希望を持った時に、世界はカラフルになる
カエラさんを語るうえではずせないのが「色」というキーワード。 「新しい曲をリリースするたびに髪色を変えているのは、それぞれの曲の中にイメージする色が存在するから。現実は白黒だけど、夢とか希望を持った時、そこにはすごくカラフルな世界が広がっていると思っていて。それに妄想やファンタジーが好きなのもあって、私の歌の世界には色が溢れているんです。そんなテーマをいつも大切にしています」 カエラさん曰く「人というのは、陰と陽、朝と夜、みたいなコントラストでできていると思ってる」。 「普段からそんなことを意識してものを作ることが多くて。そのひとつが、UZUさんとコラボして作ったアイライナー。ラインの色自体は、重ねれば重ねるほど濃くなる黒。一方のパッケージは光の三原色を使ってカラフルに。私がイメージする“光と影”を表現しました」 忙しい日々の中で大切にしている自分らしさについて聞いた。 「人にも自分自身にも絶対に嘘はつかないようにしているかな。そうするためには、自分自身の感情と向き合わなければいけないし、その都度考えなきゃいけない。そうやって自分の体に残った感情に向き合うことができたら表情も豊かになると思うからそこは丁寧にやっています」 しなやかに強く、優しくてたくましい。常に“センター”に居続ける吸引力のあるカエラさん。 「私の意見を聞いてみんなが動いてくれるから、仕事ではどうしても“真ん中の人”になってしまう。わがままな自分だけど困らせたくはないから、周りの人たちの動きや気遣いにはいつもすごく感謝しています。私はどんなに苦しくても大丈夫。でもみんなには、ひとつも辛いことがないようにっていつも思っているんです。だってひとりでは何もできないから。そのために、自分のチームでも家族でも相手を信じて理解しようとする。何かあったら話し合うことを大切に。そうやって人と信頼関係を築くのは面白いよね」 夜眠りにつく前に、今日の「よかったこと」を振り返るというカエラさん。 「子供がうるさくて寝れないとか、仕事で少し不安なことがあるとか、夜ってだいたい嫌なことで終わるんですよ。だから寝る前のルーティンはまず、ぎゅっと固まった眉間のシワを手で広げて1回笑ってみる。それでその日一日を振り返って、よかったことを思い出すの。そうすると悪かった日もいい日になる気がします。それで『今日もよく頑張りましたね、お疲れ様』と自分自身に伝えると、『よし、明日も頑張ろう』と思えるんですよ。自分自身に暗示をかけるのと似ているかも」 タスクの多い生活の中にも、心のゆとりや笑顔を忘れない。充実感でいっぱいの日々と思いきや、「まだ足りない」と一言。 「音楽の世界はどんどん新しい人も出てくるし、今はロックやパンクなどのバンド系はちょっと大人しい時期。でもファッションと同じように音楽にもトレンドがあって、最近はお隣の韓国でもバンド系が出てきているから『日本でもくるんじゃない?』って密かに思ってます(笑)。子供が大きくなってきたのでもう少ししたらもっと自分の時間もうまく作れるはず。仕事に向き合う比率をぐっと上げて、思い切り音楽がやりたいです。音楽、というか、歌がないと生きていけない。大好きなんですよ。それでもう一度“一位”を獲れた時が、自分に満足できる瞬間なんじゃないかな」 ●木村カエラ 10月24日生まれ。東京都出身。13歳から雑誌などのモデルを務め、2004年シングル『Level 42』でメジャーデビュー。楽曲を精力的にリリースする傍ら、自身のツアーを行い、フェスやイベントにも積極的に参加。CMにも多数出演。10月26日には日本武道館公演が迫っている。6月19日にリリースされた新曲『チーズ』(ビクターエンタテインメント)にも注目。 MAQUIA 8月号 撮影/永瀬沙世 ヘア/ASASHI〈ota office〉 メイク/UDA〈mekashi project〉 スタイリスト/二宮ちえ 取材・文/通山奈津子 構成/吉田百合(MAQUIA) 撮影協力/ バックグラウンズファクトリー ワンピース¥59400/サヴァン ショールーム(ミンジュキム) チョーカー¥7700/ロニ シルバーバングル¥34000/カレワラ シューズモチーフブレスレット¥57375/リディア(サンディ・リアング)