ヤクルト・小川泰弘、今季初登板で粘り 打者のタイミングを外す熟練の投球術
(セ・リーグ、阪神-ヤクルト、4回戦、26日、甲子園)エースが帰ってきた。ヤクルト・小川泰弘投手(33)が阪神戦に先発で今季初登板。序盤に先制点をもらい、テンポよく投げ進めた。 【写真】試合前に村上宗隆らヤクルトナインに挨拶するDeNA・度会隆輝 「やってやるぞという気持ち。今持っている力を最大限出せるように準備していきたい。何とかチームに勝利を持ってこられるように、自分の力を出し切りたい」 登板前日の25日の練習後、決意を口にしていた。プロ12年目の今季は開幕投手の最有力候補に挙げられていたが、3月上旬に上半身のコンディション不良を発症して開幕2軍スタート。「焦る自分もいますし、早く上(1軍)で投げたいと思いましたけど、何とかそういう気持ちを抑えて、2軍で練習した」とレベルアップを目指して、再び体を鍛え直してきた。 約1カ月遅れの〝開幕戦〟。序盤から攻めた投球を続けた。直球は常時140キロ台前半だったが、今の小川はスピードを求めていない。「やっぱり球の質が大事。バッターがどう感じるか」と抑えるための工夫を重ねてきた。この日の初球はいきなりクイックモーションで投じ、体重移動時に微妙なズレを作ってタイミングをずらすなど熟練の投球術を見せた。 ストライク先行の投球で三回までの序盤戦はパーフェクト投球。故障で離脱していた期間はチームにとって痛かったが、変化を加え、進化した背番号29の帰還は何よりも心強い。(赤尾裕希)