歓喜のビールかけをする左からジャクソン、オースティン、ケイ

　【赤ペン‼　赤坂英一】三浦ベイによる快進撃の背景には愛情あふれる家族の援護があった。その最たる選手がCSファーストステージ第1戦で先制タイムリー、ファイナルで2戦連続本塁打を放った4番・オースティンである。 　モデルとして知られるステファニー・ダナ夫人が来日し、甲子園での2試合を観戦。「私が行くと打てないんじゃないかしら」と言う奥さんを、オースティンが説得して連れてきたという。道理で夫としては張り切らざるを得なかった！？ 　ただし、東京ドームの方は夫人が美容院を優先して観戦せず。さすがモデルならでは、か。 　2試合に先発して1勝を挙げたジャクソンも負けず劣らずの愛妻家だ。 「妻は野球がものすごく好きなので、朝はテレビでメジャーの中継を見ているし、夜は僕が投げる試合を球場で見ている。遠征にも帯同して、僕を応援してくれるよ。今は妊娠中なので、なかなか帯同できないけどね」 　かくも熱心な奥さん、米国では他の選手の夫人たちとソフトボールのチームを結成。わずか8試合ながら実際にプレーしたこともあるそうだ。 　恋人の存在が大きな心の支えになった、と明かしたのはシーズン中の7月に来日したフォード。チーム事情で8月に登録を抹消されたが、ファームで打撃の調子を上げ、三浦監督から「CSの秘密兵器」に指名された。 　そのフォードの告白。 「ちょうど（ファームに行った）その頃、彼女が米国から来てくれて一緒に過ごせたのが心の助けになったんだ。練習や試合の後、彼女と東京へ遊びに行っていろんな文化に触れたり、食事を楽しんだりして、とてもリラックスできたよ」 　もう一人、石井琢朗チーフ打撃兼走塁兼一塁コーチは、愛娘から大きなエネルギーをもらっていた。プロテニスプレーヤーの次女・さやか（19）がファーストステージ開幕前日の11日、有明コロシアムで全日本選手権女子シングルス決勝を制し、見事初優勝したのである。 　当日、さやかの試合が始まったのは午後4時。石井コーチが働くDeNAは甲子園で練習の真っ最中だった。当然、父としては仕事をしている間も娘の試合が気になって仕方なかった様子。 　さやかが初優勝を果たした翌12日、石井コーチは甲子園で関係者や報道陣から祝福の拍手を浴びた。13日の第2戦ではさやかが甲子園へ行き、スタンドから一塁コーチャーズボックスに立つ父を応援している。誰の応援よりも大きな力になったに違いない。