ケレムシャローム検問所再開 支援物資受け取り係が避難
ガザ、パレスチナ自治区、5月10日 (AP) ― パレスチナ自治区ガザ地区南部とイスラエルの境界にあるケレムシャローム検問所で5月9日、トルコからの小麦粉を積んだトラックの動きがみられた。 イスラエル国防軍は8日、閉鎖されていた同検問所を再開すると発表した。 これに対して国連は、同検問所に人道支援物資は運びこまれていないと主張。イスラエル軍のラファ侵攻に伴って人員が避難したため、検問所のガザ側には物資を受け取る係がいなという。 ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスのロケット攻撃でイスラエル兵4人が死亡、さらにイスラエル軍機甲部隊がラファに侵攻したため、同検問所は週末にかけて閉鎖されていた。 ラファとケレムシャロームの検問所は、ガザ地区に住む230万人のパレスチナ人の生存に欠かせない食料と医薬品、その他生活必需品などの物資搬入のための主要ターミナルだ。 イスラエル軍戦車部隊の進駐は、同国が繰り返し主張していたラファへの本格的侵攻には見えないが、両検問所の閉鎖が長引けば、人道支援活動は崩壊し、ガザ北部では既に「本格的飢饉」が進行しており、ガザ全体で人道危機をさらに悪化させる可能性が懸念されている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)