おねんどお姉さん・岡田ひとみ(43)「おばあちゃんになっても“ねんドル”で」20年以上活動を続ける今の夢明かす
絵の具の量によって色の濃さも変わります。私が作品を作るときは、樹脂ねんどを使うんですが、食べ物を作るので、色が本当に重要なんですね。にんじんのオレンジ色とみかんのオレンジ色は違うし、みかんの皮と内側のオレンジ色も違う。 でもそれが表現できるのは、絵の具を混ぜ合わせるからなんです。狙った色が出せたときは本当に嬉しいし、子どもたちには色を混ぜ合わせることも実験的に楽しんでほしいなと思っています。
■ねんどは上手に作れなくてもいい ── 子どもを相手にねんどを教えるときに、心がけていることはありますか? 岡田さん:私は子どもたちに「上手にねんど作品を作ってほしい」とは思ってないんです。自分が納得するものを作ってほしいし、その日はうまくいかなくても、次はもっとうまく作れるようになる…そんな達成感を味わってほしいんです。 一度うまくいかなくて悲しくなると「もう一生やりたくない」と思ってしまう子もいるかもしれません。教室に来てくれた子どもたちには全員満足して帰ってほしいので、教室では失敗しにくいねんどを用意しています。
また、ねんどに絵の具を混ぜて色づけをする際は、手が絵の具だらけになってしまいがちです。そこで、教室では使い捨てのパレットにその日に使うぶんだけ絵の具を出して、爪楊枝で少しずつ絵の具を取ってもらいます。そうすると、絵の具をつけすぎることがないので手がほとんど汚れないんです。番組では直接ねんどに出しているんですが、子どもだと力加減が難しいから出しすぎちゃったりするんですよね。 ── 親からすると、絵の具はハードルが高いんですよね…。
岡田さん:大惨事になっちゃいますよね(笑)。でも、教室でもうひとつ大事にしているのが、保護者の方にも楽しんでもらうことなんです。お子さんが絵の具だらけになったら「もうやらせたくない」と思ってしまうかもしれないけれど、そうなってほしくないんです。お父さんお母さんにも、ねんどで楽しんだり、感動したりしてもらいたい。 ねんどって、意外と年齢ででき上がりに差が出ないんですよ。「どっちがお父さんが作ったの?」というのがわからなかったりする。親子がまるで同世代かのように楽しめるのがねんどのよさかな、と思っています。