阪神・村上頌樹、2年で球速5キロアップ!“欠点”を改善して勝ち星ゼロからMVPに…追い求めたのは「空振りがとれるストレート」
手を差し伸べてくれたのは、先輩・青柳晃洋(30歳)。 サイドスローから繰り出す独特のストレートを武器に、2年連続最多勝・最高勝率の二冠にも輝いた。 自主トレで青柳が村上に指摘したのは、投球フォームのある“欠点”だった。 青柳:「一緒に自主トレをやるまでは、胸の開きが早くて手で頑張って投げていた。下半身と腕が一緒に出た場合、手の力だけで投げることになるんです」
胸の開きが早く、ボールに力が伝わらない――当時の投球フォームについて村上自身はこう語る。 村上:「悪かったときは足を上げて、着いたときに胸が前に向いていた」 左足が着地した際、バッターからすると胸の面のほとんどが見えている。これが「胸の開きが早い」ということだ。
一方、現在のフォームは…。 村上:「今は着いたときに胸が隠れるように投げる意識をしています」 現在は左足が着地した際、バッターからすると胸の面はほとんど隠れている。 このフォーム変更によって何が変わったのか。 村上:「前までは開きが早かったので力の伝え方が上手ではなかった。“下半身から投げる”ことを意識してからは良い球がいくというか、下半身からの力がしっかり指先に伝わった。力を抜いても勝手にボールがいく感覚です」 左足が地面に着くまで胸が開かないように意識、そして左足が地面に着いた瞬間一気に上体をひねり、下半身からのパワーを上半身に伝える。 そうすれば指先にも力が入り、より速いストレートを投げることができるという。 身体にフォームを叩き込むため、着手したのが“足を着いてから、ひねる”という動きだ。 この動作を繰り返すことで、下半身から上半身にパワーを伝えるタイミングを体に染み込ませていた。
さらに取り入れたのが、本格的なウェイトトレーニング。より大きなパワーを伝えるための強靭な下半身をつくっていく。 村上:「スクワットやデッドリフトは上がる瞬間を意識して。器具を上げるのを早く、軸足を蹴りだすのも一緒というか、そういうのは投球にもつながるので意識しています。投げるのは一瞬の力が大事なので、一瞬でどう力が出せるのか」 そして迎えた昨シーズン、村上は自身の進化を確信することに。