サッカー天皇杯決勝 57回目の観戦となったベテランジャーナリストが綴る長い歴史
【ジャイアントキリングが現在の醍醐味に】 もちろん、1970年以降の天皇杯でJSL勢以外が決勝に進出したことはなかった。1980年代には日産自動車(横浜F・マリノスの前身)と読売サッカークラブ(東京ヴェルディの前身)がタイトルを独占する時代もあった。そして、1993年のJリーグ発足後は、やはりJリーグ勢以外で決勝に進んだチームはひとつもない。 だが、それでも大学勢や地域リーグのチームなどがJリーグ勢を倒す「ジャイアントキリング」は毎年のように話題を提供。それが天皇杯の醍醐味となっている。 また、JSL時代には決勝で同2部の日本鋼管やヤマハ発動機(ジュビロ磐田の前身)が優勝したこともあるし、2022年度の第102回大会でJ2のヴァンフォーレ甲府が優勝を飾ってACL出場権を手にしたことは、まだ記憶に新しい。 連載一覧>>
後藤健生●文 text by Goto Takeo