【ライブレポート】WurtSがたどり着いた初の日本武道館、出会いと別れを経てさらなる未来へ
WurtSが10月31日に東京・日本武道館でワンマンライブ「WurtS LIVE AT BUDOKAN」を開催した。 【写真】DJコーナーを展開するWurtSとウサギ 2020年からYouTubeやTikTokに楽曲を投稿し、翌年に本格的に音楽活動をスタートさせたWurtS。彼はダンスミュージック、ロック、ヒップホップ、ソウルなど幅広いジャンルを取り入れた独自の音楽で若者を中心に多くの人々の心をつかみ、ライブハウスツアーやホールツアーを経て日本武道館のステージへとたどり着いた。また今回WurtSは初の日本武道館公演の前日にニューアルバム「元気でいてね。」をリリースするという試みも実施。アルバムの収録曲も含めて、全22曲を披露した。 ■ 武道館に生み出した巨大なダンスフロア WurtS自らがディレクション、編集を手がけたオープニングムービーを経て、新井弘毅(G)、城戸紘志(Dr)、黒川バンビ(B)、ウサギ(DJ)、そしてWurtSがステージに登場すると、壮大な銀河における“出会い”を彷彿とさせる最新アルバムの1曲目「STARDUST」でライブは開幕。さらにエッジの効いたロックナンバー「NOISE」が勢いよく投下され、ライブ序盤から武道館に爆発的なエネルギーが満ちていった。その後、WurtSはレーザーライトに彩られながら「コズミック」や「オブリビエイト」でグルーヴ感のある演奏を展開。そしてメランコリックな空気が漂う「SF東京」を経て、月面の映像をバックにカッティングギターの音色が心地のいい「遊星X」を届けた。WurtSがアコースティックギターを手に取り、ゆったりと弾き始めたのはミディアムバラードナンバー「BACK」。温かみのあるアンサンブルとノスタルジックなメロディに乗せて、WurtSは剥き出しの歌声を武道館に響かせた。 ここでバンドメンバーが一度ステージから捌け、WurtSとDJのウサギだけが残される。WurtSは「武道館は何回かライブを観に来たりしていて、『武道館大きいなあ』と思っていたんですけど、いざステージに立ったら、思ってたよりも距離が近くてうれしいです!」と会場を見渡し、「今やっと武道館に立ててるなって実感しています! ありがとうございます!」と声を弾ませた。彼は最新アルバムについて「“出会いと別れ”をテーマにしていて。1曲目は出会いの曲にしたいなと思っていました。前回のアルバムを出してから、このアルバムまで3年かかったんですけど、この3年間でいろんな出会いがあって、いろんな仲間ができて。僕自身もすごく成長した3年間だった。あと、成長するにあたって別れもあって。そういう出会いや別れを表現したいなと思って作ったアルバムです」と説明。続けて「次は3年間で出会った仲間の曲を歌ってもいいですか?」と告げると、仲間との日常を感じさせるヒップホップ調のナンバー「ライフスタイル」でフィリーソウルサウンドに軽やかにフロウを乗せた。ここからWurtSとウサギがステージの中央に並び、今年のライブハウスツアーから彼のライブの新たな見どころとなっているDJコーナーを展開。「タイムラグ!」が始まると開放的な空気が広がり、武道館は巨大なダンスフロアへと一気に変貌した。「SWAM」「SPACESHIP」で会場に充満する熱はますます上昇。それでもまだ足りないと言わんばかりに「もっともっともっと!」とWurtSは楽しげに煽り、ダンサブルなビートに合わせてオーディエンスが一斉に飛び跳ねる壮観な光景が生み出された。 ■ みんなと出会えてよかった その後、山田丈造(Trombone)、大田垣”OTG”正信(Trumpet)、永田こーせー(Sax)のホーン隊と大樋祐大 (Key)を加えてバンドメンバーが再びステージに登場。WurtSはソウルフルなホーンサウンドが印象的なファンクナンバー「ソウルズ」を力強く歌い上げたあと、軽やかでドラマチックな鍵盤の音色が印象的なナンバー「ミスサンシャイン」を披露した。さらにWurtSは月のように眩い輝きを放つミラーボールの下で「MOONRAKER」をロマンティックに届ける。「リトルダンサー」では武道館のステージでウサギが華麗にステップを踏んで会場を大きく沸かせた。「もっと歌えますか? もっと踊れますか? 熱い夜にしましょう!」という言葉とともに「Talking Box (Dirty Pop Remix)」が投下されると会場は大盛り上がり。ステージにいくつもの火柱が吹き上がる場面もあり、続く「エヴォリューション」では勢いよく発射された紙吹雪が会場を鮮やかに彩った。 バンドメンバーがステージを去ると、WurtSは「1人で届けたい曲があるので、演奏してもいいですか?」と話を切り出す。彼は「今日の1曲目は『STARDUST』という出会いの曲で始まって。最後は“別れ”の曲で終わりたいなと思っています。別れと言うと寂しい感じがするかもしれないけど、今日武道館めちゃくちゃ楽しかったし、みんなと出会えてよかったなと思っていて。こうやって出会いを大切にしながら、次もまたみんなと出会えたらいいなっていう、そのためのしばしの別れです」と話し、「2ndアルバムはライブとライブの間、会えない間にみんなに聴いてほしい。『元気でいてね。』というタイトルは、そういう意味もあって。このアルバムを聴きながら、またこうやってみんな集まれたらいいなと思います。みんな、元気でね」と優しく伝えた。最後にWurtSがたった1人で歌い始めたのは「YOU AND I」。彼は衝動に身を任せるようにこの曲を歌い、エモーショナルにギターをかき鳴らしてステージをあとにした。 オーディエンスの大合唱に呼ばれてステージに再び姿を現したWurtSは「懐かしい曲やってもいいですか? WurtSの始まりの曲です!」と告げ、2020年に発表した自主制作盤「資本主義の椅子」の収録曲「spellbound」を披露。音源と同じようにマイクテストから始まり、みずみずしいサウンドを場内いっぱいに響かせた。ラストナンバーは代表曲の1つ「分かってないよ」。WurtSはこの曲で武道館に大きなシンガロングを巻き起こし、銀テープが降り注ぐ華やかな景色に彩られながら初の武道館ライブを終えた。 なおWurtSは2025年1月から2月にかけてツーマンツアー「WurtS LIVEHOUSE TOUR IV」を開催する。各公演のゲストにはyama、Saucy Dog、Chilli Beans.、クリープハイプ、にしな、[Alexandros]、PEOPLE 1、UNISON SQUARE GARDEN、ASIAN KUNG-FU GENERATIONがラインナップされている。イープラスでは11月10日までチケットの先行予約を受付中。 ■ セットリスト □ WurtS「WurtS LIVE AT BUDOKAN」2024年10月31日 日本武道館 01. STARDUST 02. NOISE 03. コズミック 04. ふたり計画 05. オブリビエイト 06. SF東京 07. 遊星X 08. BOY MEETS GIRL 09. BACK 10. ライフスタイル 11. タイムラグ! 12. SWAM 13. SPACESHIP 14. ソウルズ 15. ミスサンシャイン 16. MOONRAKER 17. リトルダンサー 18. Talking Box (Dirty Pop Remix) 19. エヴォリューション 20. YOU AND I <アンコール> 21. spellbound 22. 分かってないよ ■ ツアー情報 □ WurtS LIVEHOUSE TOUR IV 2025年1月15日(水)福岡県 Zepp Fukuoka <出演者> WurtS / yama 2025年1月18日(土)宮城県 SENDAI GIGS <出演者> WurtS / Saucy Dog 2025年1月21日(火)大阪府 Zepp Osaka Bayside <出演者> WurtS / Chilli Beans. 2025年1月22日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside <出演者> WurtS / クリープハイプ 2025年1月27日(月)愛知県 Zepp Nagoya <出演者> WurtS / にしな 2025年1月28日(火)愛知県 Zepp Nagoya <出演者> WurtS / [Alexandros] 2025年2月1日(土)北海道 Zepp Sapporo <出演者> WurtS / PEOPLE 1 2025年2月5日(水)東京都 Zepp Haneda(TOKYO) <出演者> WurtS / UNISON SQUARE GARDEN 2025年2月6日(木)東京都 Zepp Haneda(TOKYO) <出演者> WurtS / ASIAN KUNG-FU GENERATION