「育成のホークス」成長のキーマンとなれるか 単身来日 社会人で長年戦ったブラジル出身4軍コーチの船出に注目
記者コラム・タカ番24時
きれいな言葉でしっかりと決意を紡いだ。そんな印象を感じた。社会人のヤマハでプレーし、今回4軍投手コーチに就任したフェリペ・ナテル氏の就任会見での言葉にだ。会見では「個性を尊重しながら、選手一人一人最大限の力を発揮できるように頑張りたい」と若手育成への抱負を、来日18年で一から培った日本語で語った。 ■「あの小さかった真凜ちゃんが…」秋山幸二さん長女が花嫁姿【写真】 球団が期待を寄せる部分に外国人育成選手への指導がある。現在ソフトバンクの外国人育成選手は10人近い。ナテル・コーチは彼らと同じように10代で単身異国に来た。通訳もいない環境で日本語をマスターした経験を、指導の場で生かすことが求められている。 やはり一番の壁はコミュニケーション面だとナテル・コーチは強調する。球団は日本語教室に通わせたり、スペイン語ネーティブの通訳を起用したりと、円滑なコミュニケーションに腐心。その成果もあって、多くの選手が簡単な日本語はできる。ただ、ナテル・コーチは、より直接的に寄り添うことができる。「指導者側から、率直にスピードを持って指導をするというのがいい」と語る。 4軍制を敷く球団がさらに「育成のホークス」として成長するには、外国人選手の台頭が不可欠。育成出身から外国人が支配下入りをつかんだのは2019年のコラスが最後。以降、10代を含む多くの選手が入団したが、今オフもフェリックスが球団を去るなど、まだまだこれから。「充実した野球人生を送ってほしい」。そう願うブラジル出身コーチの手腕に注目だ。(鬼塚淳乃介) 【#OTTOソフトバンク情報】
西日本新聞社