週末運転「酒」をコンセプトとした列車「越乃shu*kura」/新潟
ポイントは2号車、1杯100円から利き酒
そして、一番のポイントは真ん中の2号車。ここはサービスカウンターとイベントスペースが設置されています。カウンターでは厳選された新潟県内の地酒が常時5種類用意され、1杯100円から利き酒を楽しむことができます(酒類の購入は車内で販売の「呑みくらべクーポン」を利用)。おつまみも「幻魚」の天ぷらをはじめ、この地方でとれる食材にこだわったものが用意されています。お好みのお酒とおつまみを手にしたら、すぐ隣のイベントスペースへ。海側にはカウンター、そして中央には酒蔵をイメージしたテーブルが設置され、立ち飲みスタイルでお酒を楽しめます。ここではジャズの生演奏も行われ、ちょっぴり大人の雰囲気が漂います。また、日替わりで新潟の酒造会社が乗り込んで試飲会も開催。地酒王国・新潟にふさわしいおもてなしに、ついつい酔いが回ります。
「快速」なので特急料金は不要
これだけの設備を備えておきながら、実はこの列車「快速」なので特急料金は不要。520円の指定席料金のみで乗車できるとは、なんとも贅沢です。イベントスペースで楽しんだ後は、自席でゆっくりくつろぐもよし、列車の両端に設置されたフリースペースで仲間とおしゃべりするもよし。気がつくと、終点・十日町はあっという間です。 「越乃shu*kura」は、6月までのデスティネーション期間中に続き、7月以降の運行も決定。現行の十日町行きと越後湯沢行きに加え、新潟へ向かう列車も設定されました。この夏、「越乃shu*kura」でちょっぴり大人な旅を楽しんでみませんか? ■伊原薫(いはら・かおる) 大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。