【大学野球】マスターしつつある力感のない投球…国際舞台を飛躍の場とする慶大・外丸東眞
リーグ戦でエースの役割を全う
【侍ジャパン大学代表候補合宿】 [バッティングパレス相石スタジアムひらつか] 慶大・外丸東眞(3年・前橋育英高)にとって、合宿3日間は充実の時間となった。 【選手データ】伊藤樹 プロフィール・通算成績 昨秋は東京六大学リーグ戦で6勝(0敗)、防御率1.54で4季ぶりのリーグ優勝に貢献。明治神宮大会でも2勝を挙げ、青学大との決勝では5安打シャットアウト(2対0)で、4年ぶりの優勝へと導いた。青学大の年間タイトル4冠(春、秋のリーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)を阻止し、2年生にして大学球界の頂点へと登り詰めたのである。 トップアスリートとは、向上心の塊である。慶大・中根慎一郎助監督が「意識レベルは社会人の一流選手と同じ」と明かすように、外丸は自分で考え、実践し、行動できる選手である。昨秋のシーズン中から口にしていたのは、自己最速149キロからの球速アップ。外丸の武器であるコントロールと、ボールのキレを維持しながら、さらなる高みを目指した。 外丸の良さは、低いテークバックからやや腕が遅れて出てくるため、打者としてはタイミングが取りづらい。しかし、登板を重ねると負担がやや大きくなる。今後のことを見据え、若干の手を加えた。しかし、すべてを追求するのは難しい。3月の関西遠征の際も「なかなか難しいです」と明かしていた。しかし、どんな状況でも慶大エースとして、マウンドを死守しなければならない。 この春、慶大は3位。外丸は3勝3敗、防御率2.17と数字を落とした。最も分かりやすい数字が四死球である。昨秋は64回1/3で11四死球だったのに対して、今春は54回で17四死球。とはいえ、全5カードで1回戦の先発を務めるなど、7試合で先発(救援2試合)し、エースの役割を全うした。 リーグ戦閉幕後、大学日本代表候補に選出。6月22日の最終選考合宿までの約3週間、自らともう一度、向き合った。原点回帰。「春のリーグ戦を通じ、力みがあった。スピードよりもコントロールの大事さを再認識しました」。体を休めながら、テークバックを含めたフォームを微調整。昨秋に戻すのではなく、レベルアップする過程の上で修正した。