７日にノーヒットノーランを達成し、祝福される大瀬良大地（カメラ・谷口　健二）

　広島の大瀬良大地投手（３３）が１８日、第２子の長女が１７日に誕生したと発表した。７日のロッテ戦（マツダ）でプロ野球９０人目（１０２度目）の無安打無得点を達成し、ここまで３勝無敗、防御率０・９６はリーグトップ。次回は２２日の中日戦（バンテリンＤ）に先発予定だ。好調の裏にあった“父・大瀬良”の奮闘ぶりに、担当の畑中祐司記者が迫った。 　新たな家族が誕生した。大瀬良は、その喜びとともに、真由夫人の出産前に２歳の長男の育児に励んでいた日々を振り返って「（自身が人間的に）強くなりましたね」と、笑った。 　真由夫人は広島市内の実家で出産に備え、自身も自宅と行き来しての生活を続けた。義理の両親のサポートもあったが、長男のお風呂と寝かしつけが日課だった。「おなかが大きくなってからは毎日やっていましたね」。ノーノー達成の直前も“父親業”で大忙し。「（無安打無得点の）２日前とかも夜中に起こされたりしましたけど、それも今しかできない楽しみ。育児も楽しませてもらっています」。育児疲れどころか育児を活力に、マウンドで快投を繰り広げた。 　出産は、長男とともに立ち会った。「息子も『ママ、頑張れ～』とか言いながら。最初はビックリしていたけど、慣れてきたら『妹、妹』ってかわいがっています」。７回無失点と好投した１４日の楽天戦（楽天モバイル）の登板後に仙台から広島に戻り、１７日はチーム全休だった。「本当にタイミングが良かった」。偶然にも自身と同じ誕生日。３３歳の最高のプレゼントにもなった。 　チームは首位でリーグ戦再開を迎える。「すごく幸せな瞬間もありましたし、ここまで公私ともに順調に来られている。ここから、より一層というより、変わらずチームに貢献できるように」。ノーノー達成のウィニングボールは今、長男の遊び道具になっている。３３歳の初登板でもある２２日の中日戦では、娘の誕生を祝う１勝を手にする。（広島担当・畑中　祐司）