米関税、FRB政策に大きな影響与えず-シタデル・セキュリティーズ
(ブルームバーグ): 米利下げの道筋がトランプ次期政権の保護主義的な姿勢によって妨げられることはないだろうと、シタデル・セキュリティーズのダーラム・アブリック氏は指摘した。
「金融政策は一時的な関税主導のインフレにはほとんど影響を及ぼさないため、米金融当局は関税の影響を考慮しない可能性が高い」と、同社の米国インフレ担当責任者を務めるアブリック氏は13日のインタビューで述べた。
大統領1期目に米国の輸入品に制裁関税を課したトランプ氏は、来年1月の就任後にも同様の措置を講じる意向を明確に示している。これは消費者物価を押し上げるリスクがあるが、アブリック氏は、米金融当局は短命に終わり得る経済的影響に過剰反応することは避けたい考えだと話した。
結局のところ、1期目の関税が全体的な物価に与えた影響は限定的だったと、アブリック氏は説明。新たな関税は物価に一時的な圧力をかけるかもしれないが、同氏はそれが金融政策に大きな影響を与えるとはみていない。
「米当局の利下げバイアスを踏まえれば、最近見られる短期債の実質利回り上昇は勢いを失う可能性がある」と同氏。「ただし長期の利回りは、堅調な成長と根強いインフレを見越して上昇し続ける可能性がある」と語った。
原題:Citadel Securities’ Inflation Head Says Tariffs No Worry for Fed(抜粋)
--取材協力:Elizabeth Stanton.
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Emily Graffeo