「この人は本当に私の夫?」一度も声を荒げたことのない夫に怒鳴られ…“人格を変える”若年性認知症という病【漫画】
見た目は変わらないのに、どんどん記憶が薄れ、“自分が知らない”夫になってしまったら…? 時間や場所の感覚がなくなり、家族の顔でさえわからなくなる病「若年性認知症」を真っ向から取り上げ、SNSでも話題のコミックエッセイ『夫がわたしを忘れる日まで』(吉田 いらこ 著)から一部を公開します。 【前話を読む】「あいつの父親頭おかしいよ」若年性認知症の父を持つ息子が、父を馬鹿にされて暴力をふるうのは許される?
陽翔通う小学校から「クラスメイトと言い合いになって、相手にケガをさせた」と連絡を受けた彩は、会社を早退し、急いで学校へ向かう。 日頃から「暴力は絶対にダメ」ということを言い聞かせている彩は、陽翔を問い詰めるが……。
クラスメイトから、陽翔の父・翔太がドラッグストアで万引き未遂をしてしまったことを言いふらされ、「あいつの父親 頭おかしいよな」と言われたことを説明する。
自分にとっては大好きな父が、他の人から悪く言われていることを許せなかったと、陽翔は涙ながらに語る。翔太の病気について全く伝えていなかった彩はそんな陽翔に「しばらく休んだらまた元気になる」と言うことしかできず、ごまかし続けることに限界を感じはじめーー。
うん どうしたの 遅くにごめん 陽翔のことで話があって…
実は今日学校でさ…
相手方も「こちらが悪かった」って言ってくれたから大丈夫だったんだけど… ……そんなことが…
だからさ 陽翔にもそろそろ病気のことちゃんと話さないとダメだと思う そうか…陽翔にそんなつらい思いをさせてたなんて…
全部オレのせいだ オレがこんなだから… それは違うって
うるさい!!
本当は彩だって思ってるだろ オレがいて迷惑だって いなくなればいいって思ってるんだろ!
翔太が声を荒げる姿を初めて見た いつも困った顔をして笑ってる そんな人だったのに
今 目の前にいるこの人は 本当に翔太なの?
怒鳴らないでよ… 誰もそんなこと思ってない!