『熱のあとに』橋本愛×仲野太賀、鮮烈な愛を描いた衝撃作
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1159回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 【写真全16枚】『熱のあとに』/『罪と悪』 今回は、2月2日公開の『熱のあとに』と『罪と悪』をご紹介します。
映画館で観たい!『熱のあとに』 ~私の愛し方、エキセントリック?
2019年に起きた新宿ホスト殺人未遂事件から着想を得た、鮮烈なラブストーリー。 恋人を刺し殺そうとした過去を持つ女性が、別の男との結婚を経て、愛の形を模索する。 自分を受け入れてくれる夫の温もりか、元恋人への燃え上がるような激情か。揺れ動く主人公の“愛し方”を生々しいまでに体現した橋本愛から目が離せない。“人を愛する”という概念を覆す衝撃作です。
映画館で観たい!『罪と悪』 ~本当の“悪人”は、誰なのか……
井筒和幸監督、岩井俊二監督、廣木隆一監督といった、名だたる名匠の助監督を務めてきた齊藤勇起監督。 初の長編映画となる『罪と悪』は、3人の幼なじみたちが過去に背負った罪と、現在に起こった殺人事件の行方を描いた本格ノワール・ミステリーです。 闇の仕事も請け負う建設会社社長、阪本春。警察官の家庭に育ち、自らも刑事となった吉田晃。家業である農業を生活の糧とする、朝倉朔。3人の魂がぶつかり合うとき、過去の事件の扉が再び開き始めます。
『罪と悪』のあらすじ
14歳の少年・正樹が、何者かに殺された。 同級生の春・晃・朔は正樹を殺したのは謎めいた老人だと確信。家に押しかけて詰め寄るうちに、1人の少年が老人を殺してしまう。彼は殺害現場となった家に火を放ち、事件は幕を閉じたはずだった。 時が過ぎ、刑事になった晃は父の死をきっかけに町に戻り、朔との再会を果たす。ほどなくして、ある少年の遺体が発見される。それはまるで、20年前の事件を彷彿させるような出来事だった。 事件を追うなかで、晃は春とも再会。3人は凄惨な過去と向き合うこととなる……。
『罪と悪』のみどころ
主演を務めたのは、話題作への出演が絶えない高良健吾。地元の不良たちを束ねる建設会社の経営者・春を、冷静、かつ凄みのある演技で表現し、観客を魅了します。 春と共に数奇な運命を背負うことになる晃と朔を演じたのは、大東駿介と石田卓也。3人は、ほぼ同世代の俳優。10代のころはオーディションで顔を合わせることが度々あり、ライバルというよりも互いに高め合って切磋琢磨してきた間柄だということ。 若手のころからの躍進を見てきた映画ファンにとっては、ひとつのスクリーンのなかに彼らが収まっているということを目の当たりにするだけで感慨深くなってしまいます。 春と晃。晃と朔。それぞれが対峙するシーンでは言い知れぬ緊迫感が伝わってきて、その熱量の高い芝居は必見です。 また共演に村上淳、椎名桔平、佐藤浩市など、実力派俳優が顔を揃えているのも見どころのひとつ。ベテラン俳優が放つ存在感にも注目ですよ。