〈断るのは難しい〉…韓国・美しきファーストレディ「高級ブランドバッグ収賄疑惑」夫妻の苦しい言い分
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(63)が、与野党からの批判に苦しんでいる。2月上旬に発表された世論調査では、支持率29%に対し不支持率は63%。低迷の最大要因は、「美しきファーストレディ」と呼ばれる金建希(キム・ゴンヒ)氏(51)の「高級ブランドバッグ収賄疑惑」だ――。 愛犬を胸にギュッ!…韓国のファーストレディ「スッピンのメガネ姿」普段と激変の素顔写真 事の発端は昨年11月に、YouTubeチャンネル『ソウルの声』で公開された動画にある。場所は、金氏が運営する芸術イベント企画会社『コバナコンテンツ』の事務所だ。撮影されたのは’22年9月13日。動画には金氏と、知人で事務所を訪問した南北統一運動に従事するチェ・ジェヨン牧師との生々しいやりとりが映っていた。 金氏〈なぜ、こんな高級なモノを持ってくるんですか?〉 チェ牧師〈次はプレゼントできないと思いますから〉 金氏〈こ、こんなんことしないで……。本当にやめてください〉 チェ牧師〈私の気持ちですよ〉 ◆対価性あれば処罰対象 チェ牧師が金氏に渡したのは、高級ブランド『ディオール』のバッグとみられる。金氏は困惑しながらも受け取りを拒否しなかった。バッグは推定価格300万ウォン(約34万円)の高級品で、対価性のある賄賂と認められれば韓国ではキム・ヨンラン法(不正請託防止法)違反となり処罰の対象になる。 動画が公開されると、野党は「本当に受け取ったのなら収賄ではないか」と激しく非難。大統領夫妻から直接説明がないことへも批判が高まっていた。こうした逆風を受け、尹大統領は今年2月7日になり重い腰を上げる。韓国の公共放送局『KBS』の番組に出演し、次のように主張したのだ。 〈(金氏がバッグの受け取りを)ハッキリ断れなかったのが、やや問題といえば問題でしょう。少し残念に思いますが、大統領夫人の立場で冷たく断るのは難しかった〉 〈(動画は)隠しカメラで撮影され、さらに1年半も前のこと。騒ぎ立てること自体が政治工作と考えるべきです〉 尹大統領は〈妻とのケンカはない〉と夫婦円満をアピール。番組では「高級ブランドバッグ」を「ポーチ」と表現するなど、苦しい言い分が続いた。 「番組での尹大統領の発言に、野党から批判が高まっています。『問題の矮小化だ』『下手な芝居を見させられた』『政治工作などの言い訳ばかりで最後まで謝罪の言葉はなかった』と。番組での一方的な主張も評判が悪い。尹大統領は’22年8月以来、記者からの質問を受けつける会見を開いていないんです。 金氏のスキャンダルは『ゴンヒリスク』と呼ばれ、政権を窮地に追い込むのではとみられています。疑惑は『ブランドバッグ』だけではありません。学歴詐称や私文書偽造による母親への実刑判決、知人の車販売会社の株価操作など数々のスキャンダルが浮上しているんです」(韓国紙記者) 夫の大統領就任前は「妻の役割に専念する」と表明していた金氏。いまや自らの言動が政権の命運を握る存在になりつつある。
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