“助けて”と言えるように…DVサバイバーの強張った心と体を癒やす女性セラピストの思い【岡山・倉敷市】
11月25日までの2週間は、「女性に対する暴力をなくす運動」期間です。DV被害を乗り越え、同じ悩みを持つ女性の心と体を癒やそうとセラピストとして活動する女性が倉敷市にいます。その思いとは。 「なかなか言えないのが“助けて”。どこかが緩んでこないと心を開けない」 倉敷市に住む泉和恵さん(50)。約5年前から、整体やアロママッサージなどを行うセラピストとして活動しています。 (泉和恵さん) 「私自身がDVの被害を受けて、子供を守るために葛藤した。けがや傷、私もあるが、それよりも心の傷が(癒えるのに)長くかかる」 泉さん自身もDVサバイバー。子供への被害もあったため16年前に離婚を決意しました。もともとカイロプラクティックや整体の仕事をしていましたが、新たにカウンセリングの勉強をして、DVサバイバーのケアを行うことにしたのです。現在は、DVについて考えるセミナーの講師や、企業を訪問して、子育てなどに悩む女性のケアも行っています。 コロナ禍に大きな社会問題となったDV被害。2022年度の相談件数は全国で12万2211件。岡山県では2023年度は3181件、香川県では1167件に上っています。施術を受ける人の中には、自身がDV被害を受けていることに初めて気が付く女性もいるといいます。 (泉和恵さん) 「こういう(DV)経験があると話をして、聞いていると、「それは暴力ですよ」と話をすることもある」 強張った体をほぐし、時には、アロマオイルを使って癒やしていきます。 (泉和恵さん) 「少しでも希望になればいい。私と出会うことで気付くこと、そこから新たな人生、一歩踏み出すきっかけになったらいい」 自分自身を大切にしてほしい・・・。前を向いた多くの人を泉さんが後押しします。
岡山放送