名古屋のアーティストが公共の場利用できる新制度とは?
名古屋市は今年10月から、音楽やダンスなどに取り組むアーティストに対して、これまで一般的に利用ができなかった場所を会場として新たに提供する“ポップアップアーティスト制度”をスタートさせる。同制度を制定するにあたり、アーティストからは戸惑いや不安の声も多く聞かれているが、名古屋市はアーティストらの声に対して、どのように配慮して同制度を整えるのだろうか?
市民だれもが楽しめるのかということも重視
地元アーティストの活動の支援と、市民が気軽に音楽文化や芸術に触れる機会をつくることを目的に誕生した同制度。これまで一般的に利用ができなかった地下鉄の駅構内や、久屋大通庭園フラリエなど公共の場所のほか、協力を得た民間施設など約20か所を会場として新たに提供する。 制定にあたり、新たな制度に期待するという声がある一方で、アーティストからは「ライセンスを所有していないと、これまで活動していた場所でパフォーマンスができなくなるのか」「オーディションの審査基準はどうなっているのか」「機材や騒音の制度は厳しいのか」といった戸惑いや不安の声も寄せられていた。 これらの問題について同イベント企画担当者の稲崎さんに話しを聞くと、「提供場所を選定するにあたって、既に活動を行われている場所は避けました。ダンスやクラシック、大道芸などの各分野の専門家にオーディションの審査を決めてもらいますが、市民だれもが楽しめるのかということも重視しています」と話す。 また、機材や騒音などについて「基本的に大音量は禁止していますが、各会場によって制限事項が異なります。アーティストには自分の活動に合った会場を選んでいただけたらと思います」と、アーティストの不安点に配慮をした上で制度を整えたと説明する。
名古屋から認められたアーティストと言えるのが魅力
同制度はライセンス制であり、22、23両日には名古屋市・ナディアパークにて第2次審査の公開オーディションが行われた。 オーディションに参加した人に同制度への想いを聞くと、「これまで名古屋はパフォーマンスができる場所が少なかったので嬉しいです。お客さんが多く集まる公共の場所でパフォーマンスをすることができるので、たくさんの人にみてもらいたい」(名古屋市在住・男性)、「名古屋という街から認められたアーティストと言えるのが魅力的です」(大阪市在住・男性)と話すなど、期待を寄せていた。 前述の稲崎さんは同制度への想いについて、「ポップアップアーティストの名前の由来は、アーティストがポンと街中に飛び出して、文化の彩りありふれる街になってほしいと思いを込めたものです」さらに「いずれは名古屋だけでなく、全国で活躍するアーティストがポップアップアーティストから生まれたら良いなと思っています」と強い意気込みも明かした。 (編集プロダクション エディマート)