安楽死への旅路、仏からベルギーに AFPが同行取材
「私が殺したとは全く思っていない。彼女の苦しみが早く終わるようにしたのだと思っている」
ロクト氏は、この後、安楽死について政府の監督委員会に提出する書類をもう一人の医師と共に仕上げると、私たちの元を去る前、ドニさんとマリージョゼさんに声を掛けた。「私たちは彼女を自由にしたのです」
安楽死から4日後。リディさんは荼毘(だび)に付され、火葬場の職員によってブリュッセル近郊の霊園に遺灰がまかれた。家族は立ち会わなかった。
ベルギーで2002年に制定された安楽死を認める法律では、患者の希望を許可するには、精神科医と医師、少なくとも2人の専門家の判断が必要とされる。
また、安楽死の申請が認められるのは「治療が不可能な末期患者」で「緩和できない耐え難い肉体的・精神的苦痛が常時」ある場合に限られている。
ベルギー政府の監督委員会によれば、2022年に同国で安楽死の処置を受けたのは2966人。うち53人はフランス在住者だった。【翻訳編集】 AFPBB News