泣き崩れ「試合ができることに感謝」 日本航空石川・福森 センバツ
第96回選抜高校野球大会は25日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦最後の試合が行われ、昨秋の関東大会4強の常総学院(茨城)が日本航空石川を1―0で破った。常総学院は3年ぶりのセンバツ勝利。元日の能登半島地震で大きな被害を受けた日本航空石川は、6年ぶりの初戦突破はならなかった。 【熱戦を写真で】日本航空石川-常総学院(1回戦) 石川県輪島市出身で、元日の能登半島地震で被災し、避難所生活も経験した日本航空石川の福森誠也投手(3年)は八回表に伝令役として甲子園の土を踏んだ。試合後、壁に向かって一人、泣き崩れた。福森投手の主なコメントは次の通り。 ◇スタンドの応援、励みになった ◇日本航空石川・福森誠也投手 (1月の能登半島地震が起きてから)これまで本当にいろんなことがあった。何よりもこうして試合ができることに感謝して試合に臨んだ。勝てなかったことが本当に悔しい。 2日間雨天順延で試合が流れてしまったが、気持ちを切らさずに踏ん張ろうとみんなで言い合って準備してきた。勝てなくて悔しいが、最後の最後まで粘って全力プレーは出し切れたと思う。 (八回表2死満塁時の伝令では)長井(孝誠投手)が少し感情的になってコントロールにばらつきがあったのでランナーは気にせずに、思い切り腕を振って冷静にストライクゾーンに投げろと伝えた。 その後、みんなの表情が硬かったので、少しでもみんなを励まそうと自分が「一度帽子を見て落ち着こう」と提案した。ピンチの時には帽子のつばの裏に書いた「笑顔・感謝・恩返し」の文字を見ようと試合前に話していたので。 スタンドの応援がとても大きくて一生懸命応援してくれている気持ちがベンチまで伝わってきてうれしかった。日本航空石川だけでなく、山梨や近江高校の方も一緒になって応援してくれてとても励みになった。 ピンチの場面で切り抜けられるような投手になって、夏は自分も甲子園のマウンドで投げたい。