「自衛隊配備拡張、県民は不安」 沖縄戦慰霊の日、玉城知事訴え
沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で命を落とした日米双方の約20万人をしのぶ「慰霊の日」を迎えた。旧日本軍による組織的戦闘が終わった日とされ、今年で79年。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で、不戦を誓い、平和を願う沖縄全戦没者追悼式(県など主催)が営まれ、岸田文雄首相らが参列。玉城デニー知事は平和宣言で「自衛隊の急激な配備拡張が進められ、県民は強い不安を抱いている」と訴えた。 政府は台湾有事などを念頭に、沖縄を含む南西諸島での防衛力強化を続けており、今年3月には陸地から艦艇を狙う地対艦ミサイル部隊を沖縄本島に初めて配備。戦時の記憶と重ね、懸念を深める県民は多い。 岸田首相はあいさつで「沖縄は米軍基地の集中による大きな負担を担っている。政府として重く受け止め、負担軽減に全力を尽くす」と強調した。 式では正午に1分間黙とう。国籍や軍民を問わず、戦没者の氏名を刻んだ公園内の石碑「平和の礎」には今年新たに181人が追加され、計24万2225人となった。