いま格差社会への復讐が始まる Netflixシリーズ「イカゲーム」&「イカゲーム2」
【シーズン2】 復讐を誓うリベンジャーズ
シーズン2は復讐の物語。 ゲームに優勝してから3年。ソン・ギフンは、あの残酷でふざけたゲームを終わらせるために、ゲーム運営組織を倒すため、優勝賞金を使い、メンコ勝負するスーツの男を探し続けていた。 シーズン1では、楽観的で計画性もないが、どこか優しさにあふれる男だったギフンだが、シーズン2ではそんなキャラクターから一変。正義の鉄槌を下すため、笑顔も見せず終始シリアスな表情で物語が進む。シーズン1で、デスゲーム運営の内情を暴こうとし、結果、何もできなかった警察官ファン・ジュノ(ウィ・ハジュン)とともにゲームの黒幕の存在を暴こうとするなか、ギフンは再びゲームに参加することを決意する。そしてシーズン2では、運営スタッフ側の視点も描かれ、イ・ビョンホンが演じたフロントマンが思わぬ形で、ゲームに参加することになる。果たしてギフンは真実にたどり着くのか‥‥。 ゲーム開始当初、前シーズンをなぞるように演出、構成がなされている。これは明らかに意図的な作りで、観客をニヤリとさせると同時に、シーズン1と2の違いを対比させることで強調させている。「イカゲーム」未視聴でより本作を楽しみたい方は一気見をオススメする。 シーズン2から新たに、元BIGBANGのチェ・スンヒョン、元IZ*ONEのチョ・ユリといったアーティストから、イム・シワン、カン・ハヌル、パク・ソンフン、パク・ギュヨンら豪華な顔ぶれが加わる。そして今回は、1ゲームが終わるごとにゲーム続行か中断が投票されるのだが、この際、⚪︎と×のワッペンをジャージに付ける。これにより個人の意見が視覚化され、人々の分断が進み、対立が激化してしまう。新たなゲーム参加者たちは、優勝経験者のギフンとどういった関わりをしていくのかも一つの見どころである。 コロナパンデミック、ウクライナ侵攻と、世界は危うさを孕みながら生活する日々が続いている。格差はさらに広がり分断も進んだ。『ロッキー』の地元の街は、笑えないくらいリアルな「ゾンビ・タウン」となってしまった。過酷な競争社会を反映させたシーズン1配信から3年経ったいま、新シーズンはどう描かれたのか? 2025年に世界独占配信が予定されている完結編のシーズン3までじっくりと見定めてほしい。
otocoto編集部