Google、IABテックラボに猛反論。「誤解と誤りが多い」プライバシーサンドボックスのレポートとは
Googleは2月第3週、インタラクティブ広告協議会(IAB)の技術研究機関であるIABテックラボ(IAB Tech Lab)のプライバシーサンドボックス・タスクフォースが前週に発表した「プライバシーサンドボックスのデジタル広告向け適合性ギャップ分析」レポートに対する反論を表明した。 オンラインの巨人Googleにとってこの「反論」は、創業以来もっとも大がかりな対外的施策になるのではないだろうか。
プライバシーサンドボックスの大前提を見落としている?
レポートでは、現在のプライバシーサンドボックスの内容では、Cookieベースでの広告配信面の保証や予算・請求管理をはじめとする40以上に及ぶユースケースの大半に対応できないと指摘されている。この評価に対しGoogleは、徹底抗戦の構えとはいかないまでも、ユーザーのプライバシー強化というプライバシーサンドボックスの大前提をIABテックラボが「見落としているようだ」と指摘した。 Googleはプライバシーサンドボックスの公式サイトに2月15日公開した記事で、「我々の見解では、この分析レポートには多くの誤解と誤りが含まれており、業界エコシステムへの正確な情報提供のためにそれらを修正することが重要と考える」という主張を堅持している。 ただし、反論のトーンを和らげるためか、Googleは関係者間の協力と継続的な対話の重要性を強調し、同社が「エコシステム各社への最新かつ正確な情報の提供」を確約すべく努力していると述べた。 IABテックラボのレポートは3月22日までパブリックコメントを募集中だが、Googleによるドキュメンテーションの提供状況を鑑みて、「業界はまだ(採用への)準備ができていない」と訴えている。
「不正確」である4つの理由の中身
しかしGoogleは、IABテックラボによる主張の多くが不正確だと指摘している。また、不正確である理由を「明確にする」ため、レポートの技術評価セクションにおける指摘事項への回答を、次の4項目に分けて述べている(詳しくは同社ウェブサイトの記事を参照)。 プライバシーサンドボックスAPIでサポートされる前提条件やユースケース認識におけるギャップの修正について 現時点でサードパーティCookieの適用がないためプライバシーサンドボックスの対象範囲外となるユースケースについて クロスサイトトラッキングの再現によりプライバシー保護目的に反する可能性のあるフィードバックや提案について (ブラウザやプラットフォーム運営者でなく)アドテクプロバイダーによりソリューションが決定される必要がある領域、またはアドテクプロバイダーがプライバシーサンドボックス上で新たな方策を取り入れる必要がある領域について