「日本のパシリ」呼ばわりの尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、"中間評価"で苦境に!! 韓国でまた苛烈な日本バッシングが始まる!?
4月10日に投開票が行なわれた韓国総選挙。圧勝した野党の代表は、現職大統領の対日政策を「日本のパシリ」などと強く非難し、今回の選挙を「韓日戦」と表現。なぜ執拗に日本バッシングが行なわれたのか? そこには、韓国独自の政治手法が潜んでいた! * * * ■今回の選挙は「韓日戦」だった!? 「今回の選挙は新・韓日戦です! 韓国国内の親日勢力に審判を下すため、命をかけて戦います!」 4月10日に行なわれた韓国総選挙。圧勝した「共に民主党」の李在明代表は選挙運動中にこう訴えた。 「韓国の国内選挙なのに、なんで日本との対決?」という疑問が浮かぶが、代表自らがそんな物騒な発言を繰り出す革新系政党に対して、韓国国民は全300議席のうち、175議席(同系政党を含む)を与えた。前回までは156議席(同)だったので、大躍進といえる。 今回の総選挙は日本との対話路線を歩む尹錫悦大統領の中間評価でもあったのだが、結果は惨敗。革新系の国会と保守系の大統領の「ねじれ」構造もより強まった。 「共に民主党」といえば、2017~22年の文在寅政権時代を支えた党だ。2019年には苛烈な日本バッシングが起きたことを覚えている読者も多いだろう。実際に、今回の選挙期間中、「共に民主党」の公式サイトには日本、そして日本に友好的な敵陣営に対する厳しい言葉が続いた。 「尹錫悦政権の対日屈従外交が、日本の歴史歪曲を助長している」 「日本の中学校の教科書には『日帝植民地時代の被害補償は韓国政府の役目』だとか『強制連行の合法性』を強調するなどの表現も新たに追加されたという」 「厚顔無恥な歴史歪曲を行なう日本政府を強く糾弾する。ますます深刻になる日本の歴史歪曲の横暴が、尹錫悦政権が語っていた未来志向的な関係だろうか?」 加えて、李氏は4月2日にソウルの激戦区・銅雀での演説でこんな内容を口にした。 「親日派に国を渡せない。今回の選挙は韓日戦なんです」 これは、同選挙区の大物対立候補が、04年にソウルの日本大使館で行なわれた自衛隊関連のイベントに参加した点を非難したものだ。 ■「親日フレーム」という批判手法 なぜ「共に民主党」はここまで日本バッシングを続けるのか。背景には、尹政権を何がなんでも叩く理由を作りたい、という事情がある。現地大手紙元デスクが言う。 「『親日派』として政敵を非難することを、韓国では『親日フレーム』といいます」 「親日派」は、韓国では歴史的に強い意味がある。同元デスクが続ける。 「さまざまな定義がありますが、韓国で多く言われるのは『日本統治時代、日本の味方をして朝鮮半島の人々に対し暴力や略奪を行ない、社会的成功を得た層』という意味です」