青森県八戸市の若手パティシエール4人が好成績 洋菓子の東北ブロックコンテスト
9月に仙台市で行われた日本洋菓子協会連合会東北ブロック協議会主催の東北ブロックコンテストで、青森県八戸市の若手パティシエール4人が好成績を収めた。ジュニア部門マジパン仕上げで、八戸市の「アルパジョン」下長店の日登夏琳（かりん）さん（20）が銀賞、同市の「ル・スゥブラン」の大久保美里さん（20）が銅賞を受賞。デコレーション部門マジパン仕上げでル・スゥブランの松田美紅（みく）さん（24）が銅賞、シュガークラフト部門で同市の「おさる、ときどきばなな。」オーナーの加賀谷美幸さん（33）が銅賞となった。近年、県洋菓子協会からこれだけ多くの受賞者が出たのは例がなく、関係者は喜びに沸いている。 マジパン仕上げの3人は、県洋菓子協会八戸支部が今回初めて企画した研修会の参加者。5月下旬から月2回、業務終了後に研さんを積んだ。日登さんは「勉強になったし技術向上につながった。さらに上を目指す」、大久保さんは「講評での指摘を意識し、もっと良い作品を作りたい」と話した。松田さんは「細かな作業を集中して行う力がついた。来年は金賞と、ジャパンケーキショーの入賞が目標」と語った。 加賀谷さんは過去にマジパン仕上げで金賞を受賞した中、シュガークラフト部門に初挑戦。独学で仕事後に毎日4～5時間ずつ、約2週間で制作した。「次はもっと上の賞を取りたい」と声を弾ませた。 県洋菓子協会副会長の工藤譲（ゆずる）さん（63）＝おいらせ町・ケーキハウス白い森代表取締役＝は「受賞者は自分の時間を使って取り組んだ。県内職人の刺激になれば」、県協会専務理事の畑中淳（まこと）さん（60）＝八戸プラザホテル調理部副部長パティシエール課料理長＝は「若手職人に自分の限界を超える体験をしてもらうことができた」、同協会八戸支部副支部長で研修場所を提供したル・スゥブランの蛯名啓悦（ひろよし）代表取締役（56）は「研修を企画して良かった」と話した。 研修会の指導役は、過去に多くの大会で上位入賞した八戸市のノワ洋菓子店オーナー・久保正さん（75）。「今はネットで資料を得ることができ自分の時代とは異なるので、指導者ではなく『助っ人』のつもり。コンテスト出場の熱意を持つ職人が減る中、受賞者は一生懸命に頑張った」とたたえた。
