地方活性化に都会の「よそ者」人材を 移住率6割、「地域おこし協力隊」とは
「よそ者の目線」で地方に活力を――。 過疎地域などの地方自治体に、都心部に暮らす人材を投入することで地域の活性化を促す目的で総務省が2009年に始めたのが「地域おこし協力隊員」事業です。開始してから10年が経ち、受け入れ自治体・派遣隊員数ともに増加傾向にありますが、具体的にどのような制度で、地域に定着する人はどのくらいいるのでしょうか?
(1)地方では人口減少や高齢化が進み、人材の確保が重要な課題となっている。 (2)都市住民の間では、豊かな自然環境や歴史・文化などに恵まれた地域で生活することや、地域社会へ貢献したいというニーズが高まっている。 「地域おこし協力隊」は、上記2点をマッチングさせることによって地域活性化につなげるための取り組みだ、と総務省の資料に記載されています。採用は必ずしも4月開始でなくてよく、期間(1年以上3年以下)も活動内容も、受け入れ先の市町村に委ねられています。隊員となる人は住民票を移住先の自治体に移すことが条件となります。
活動内容は?
では隊員の方々は何を求められていて、具体的に何をしているのでしょうか。
総務省の資料によると、この取り組みによって「地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援」などを期待しているとされています。同省担当者は「求める人材や成果は自治体によって異なる」としたうえで、「外部の目、よそ者のアイデア、スキルで地域活性化に貢献してくれているなら効果があったと言える。(活動した地域への)定住、定着が進むことも目指している」と話します。
お給料は?
地域おこし協力隊を採用した際、地方自治体は年度末に何人を受け入れ、いくらの額が発生したのかを総務省に報告することになっています。財源は特別交付税で、1人・1年当たり最大400万円が交付されます。 400万円の内訳は、200万円が報償費(給与)、200万円が住居の提供や研修などにかかった費用にあてられます。それぞれの200万円はあくまで上限であり、使わなければ支払われません。報償費は隊員の持つ技術などに応じて200万円を超えることもできますが、はみ出した部分は自治体が自主財源で補うことになります。