広島の名産「カキ」水揚げから1カ月 待った分プリップリ、身太りは上々 猛暑の影響で供給量は減少
広島ニュースTSS
猛暑の影響で例年よりずれ込んだ冬の味覚・カキの水揚げ。 1か月が経ち期待と不安が交錯する現場を「ツイセキ」します。 【五十川裕明 記者】 「大忙しのかき打ちの作業場にお邪魔しています。けさ(21日朝)水揚げされたカキをお借りしたんですがプリプリです。かなり育っています」 広島が生産量日本一を誇る冬の味覚「カキ」。毎年10月1日からの水揚げが恒例でしたが、今年は猛暑の影響で20日ずれ込み10月21日からになりました。 水温が下がらないと、身が太らないため旬が来るのを「待った」格好です。 【米田海産・米田礼一郎 社長】 「出荷の期間が短くなる意味ではマイナスなんですけれども、待った分、身もよくなりましたのでよかったんじゃないですかね。広島はカキをギフトで送る人も多いので需要も増えてくるのではと期待をしています」 広島市の米田海産はカキが順調に育ってきて安堵する一方、水揚げするまでわからなかった懸念点も見えてきました。 【米田海産・米田礼一郎 社長】 Q:身が入っていないんですか、元々? 「元々は入っていたんですけど、夏に死んで中が落ちてしまった。ひどい筏(いかだ)になると半分以上死んだのもありますけど、そんな感じですね。夏が暑いのは人間の力ではどうしようもならないので、ある程度順応してやっていかないとしょうがないですね」 広島湾内の水温を観測している市水産振興センターでは、今年の夏、直近20年で初めて30℃を記録しました。 水質など自然環境も複雑に絡みあい作用する「カキ」の養殖。 一度死んでしまうと元には戻りません。 1日60軒ほどの生産者と取引がある水産加工会社も猛暑の影響で本来より入荷が少ない状況が続きます。 【カネウ・村田泰隆 社長】 「本来なら9割ほど(水揚げ)スタートしているはずの生産者の皆さんが現時点で7割ほどじゃないですかね。スタートしている生産者の人って。需要に関しては正直ショートしています、需給のバランスは」 広島の名産「カキ」の水揚げ開始から1か月。 夏場の猛暑は大きな影を落としましたが、冷え込みが増し、ようやくスタートラインに立ったと考えています。 【カネウ・村田泰隆 社長】 「味に関しては(個体の)絶対量が減った分、残ったカキがエサを取り込む確率は上がるので味はよくなるんじゃないかなと思いますし、とにかく今後ですよね。今後エンジンをかけて徐々にフルダッシュをしていくと」 <スタジオ>【記者の目】 取材した五十川ディレクターによりますと、「カキは身がないと殻の処理だけが増してしまい、堆積場をひっ迫する恐れもある」ということです。 生産量を増やそうと水揚げをするほどかき殻の処理も問題で、満杯にならないよう 今シーズンも休業日が設定されています。
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