「QTで不安がないように」シード喪失の永井花奈は“飛距離”見直しカムバックへ
<大王製紙エリエールレディス 最終日◇17日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71> 政田夢乃のもぐもぐタイム【写真】 メルセデス・ランキング(以下MR)84位で今週の試合に臨んでいたツアー通算1勝の永井花奈は、トータル10アンダー・22位タイ。この結果、MR72位で終わった2020‐21年シーズン以来となるシード喪失を味わうことになった。 それでもラウンド後は、「(シード死守には)優勝しか方法がなかったので、そこまで重くは受け止めていないです」とサバサバとした様子。「かなり前からQTの時に不安がないようにするのが目標だった。このままのゴルフでいければいいのかなと思う」と、先行きも決して暗いものではない。 今年はショット、パットともに精彩を欠き、本人も原因については「分からないですね」というほど。もともと自他ともに認める“感覚派”ではあるが、「ミスするスポーツだし、年々ミスを重ねることで感覚だけでは体が動かなくなる。『スイングをどうやって良くしようか』より他に、やることがどんどん増えていく。また考える必要がありますね」と、自分と向き合っていく。 またコロナ禍以降、オフに海外合宿ができていないことも原因のひとつに挙げる。「海外では、冬でも一日芝の上でラウンドできたけど、今は調整の仕方が分からない」。もともと米国のロスやハワイでオフを過ごしてきたが、今は早めに沖縄に入り、急ピッチで調整するのが精いっぱい。それが春先に調子が上がらない、スロースタートにつながっているとも考えている。ただ未曾有の円安の影響もあり、簡単には海外に出られない社会状勢も絡むだけに、しっかりとオフの過ごし方も見つめていく。 今大会までのドライビングディスタンスは『232.06ヤード』の69位。年々、総距離が伸び、パワーゴルフを求められる場面が増えているだけに、そことも真摯(しんし)に向き合う。「『もう少し距離があれば、このバンカーを越えるのに』みたいな場面が増えた。飛距離のことも考えて、今までやってこなかったトレーニングもしないといけない」。来年はレギュラーツアーで活躍できるよう、さまざまな角度から対策を練っていくつもりだ。 2017年の「樋口久子 三菱電機レディス」以来となる、2勝目も目指さなければいけない。前回はシード落ち翌年の22年をMR21位で終えるなど、見事にカムバックを果たしている。現在27歳。本人は「先は長くないと思う」とこぼすが、もちろんまだまだ老け込む年ではない。