「地域で稼ぐ」へ力結集 人材育成や観光重点に 飯田商工会議所 第119回通常議員総会【長野県】
長野県の飯田商工会議所(原勉会頭)は27日、第119回通常議員総会を飯田商工会館で開いた。2024年度事業計画や一般会計収支予算案など11議案を承認。24年度も前年度と同様に「地域で稼ぐために~全ての力を結集して、業種の垣根、圏域の垣根を越えた連携~」をテーマに掲げ、産業人材の確保や育成、観光資源の掘り起こしなどに注力する。 24年度の事業計画では物流や運送業界などの2024年問題について、業界内への大きな影響が予想されるため、配送の効率化など産業界全体の問題として対応していく必要があるとした。 リニア関連工事の多くは契約期間が26年3月か9月で、多くの設備施設が完成すると予想されることから、JR東海に対して経済合理性を明らかにしながら、先行開業を求めていくとした。 昨年再編された委員会と部会の相互連携を強め、活動の活性化を図る。 重点事業は▽産業人材の確保、育成、定着▽観光資源の掘り起こし▽情報発信力の強化▽持続可能な地域、企業を目指した支援―の4つ。産業人材の育成に向け、高校などとの連携による新たな学びの機会の創出に取り組んでいく。 観光の掘り起こしや地域ブランド化を進め、複数の企業の商品が入った「飯田のお土産セット」を開発する。ワーキングランチ対応店舗の活用促進を図る。 情報発信力の強化では、同所のイメージキャラクターを作成する。 インバウンド促進に向け、イスラム教徒を対象にした「ハラール」対応に関するセミナーを新たに開く。水素エネルギーなど信州大学が進める新たな産業の社会実装に全面的に協力していく。 原会頭は冒頭あいさつで賃上げに触れ「大企業と地方の小規模事業所とで賃金格差が広がり、地方の人手不足に拍車が掛かるという負のスパイラルが懸念される」と指摘。連合長野飯田地域協議会と会合を設けて実態を把握していくとし、「どうやって地域活性化させていくかが大事になる」と力を込めた。 総会では能登半島地震災害義援金の報告もあり、63の企業・団体から250万円が寄せられた。日本商工会議所を通じて、被災した商工会議所へ送られる。