【解説】鳥島近海の地震 観測された「T波」とは?海底火山との関連も?
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今月9日、太平洋沿岸で津波が観測された伊豆諸島・鳥島近海を震源とする地震。地震波を分析したところ「P波」と「S波」が、はっきりと判別できない一方で、「T波」という“第三の波”が観測されていました。 「T波」は海底火山の活動と関連があると考えられています。鳥島近海での揺れ・津波が発生した要因は?社会部災害担当・内藤ミカ記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■震度1以上は31回 最大震度は北海道小平町などで震度3
10月9日から15日までの期間、震度1以上の地震は31回ありました。このうち、震度3以上の地震は4回でした。 ▼9日午後11時42分ごろ、北海道の福島町で震度3の揺れを観測する地震がありました。震源は渡島地方西部で、地震の規模を示すマグニチュードは3.0、震源の深さは8キロでした。 ▼13日午前3時39分ごろ、鹿児島県十島村で震度3の地震がありました。震源はトカラ列島近海で、マグニチュードは3.3、震源の深さは18キロでした。 ▼13日午後4時54分ごろ、北海道小平町で震度3の地震がありました。震源は留萌地方南部、マグニチュード3.2、震源の深さは9キロでした。 ▼14日午前11時29分ごろ、青森県東通村で震度3の地震がありました。震源は青森県東方沖、地震の規模を示すマグニチュードは4.7、震源の深さは54キロでした。
■相次いだ津波注意報 鳥島近海の地震
伊豆諸島の鳥島近海では今月2日から地震活動が活発となりました。今月5日に発生したマグニチュード6.5の地震では、八丈島で30センチの津波が観測されました。 さらに、今月9日の朝には規模の小さな地震が多発して再び津波が発生しました。八丈島で高さ60センチの津波が観測され、船が転覆する被害が出たほか、太平洋沿岸の広い範囲で津波が観測されましたが、津波を引きおこした要因は依然としてわかっていません。
■気象庁「普通の地震ではない」
揺れ・津波がおきるのには主に3つの現象があります。 ①岩盤が割れる・ずれて壊れる ②火山活動 ③海底の地滑り 9日については、揺れは発生したものの、気象庁は岩盤が壊れるような「普通の地震ではなかった」と指摘しています。 一般的に津波は地震の規模を示すマグニチュード6の半ばから津波がおきるとされていますが、9日の地震の規模はマグニチュード6クラスより、はるかに小さく、正確な震源も特定できていません。 また、最大の津波を引き起こした地震が、どれであるか特定できていないということです。