居眠り委員に批判の声も 協議会・審議会は何のため?
東京都の協議会に参加する委員が居眠りをしているとして、運営のあり方に批判の声が出ている。東京都青少年問題協議会の公募委員が自身のブログで、「会議中に居眠りをしていた委員を注意した」「居眠りしている委員の報酬で貧困家庭の子供は食事ができるのに」と批判し、「都は意欲のある委員を選任すべきだ」と運営のあり方に苦言を呈した。そもそも、何のために協議会は存在し、どのように委員は選ばれるのだろうか。政治学者の内山融(うちやま・ゆう)東京大学大学院教授に寄稿してもらった。 --------------- 東京都青少年問題協議会で居眠りしている委員がいたとネットの一部で話題となった。いったいなぜ、こうした状況が生じたのだろうか。そもそも協議会とは何だろうか。
協議会・審議会とは
この青少年問題協議会とは、東京都の青少年関連施策について審議する機関で、有識者、都議会議員、都職員などによって構成されている。「メディア社会が拡がる中での青少年の健全育成について」などといった知事からの諮問に応じて、必要な施策について審議する。 こうした機関は、広くは「審議会」と呼ばれている。地方自治体や国の省庁の多くには審議会が置かれており、その省庁の政策を立案する際に幅広く利用されている。たとえば、経済産業省には産業構造審議会、財務省には財政制度等審議会、法務省には法制審議会、といったように主要な審議会があり、その総会や分科会でさまざまな政策が審議されている。 要するに、審議会とは、行政機関が政策を立案する際に、有識者や国民各層の幅広い意見を聞いて政策に反映させるための会議体のことである。
審議会の人選
審議会の委員はどのように選ばれるか。委員には、大学教員、ジャーナリスト、企業経営者、自治体の首長、NPO代表といった有識者・専門家や、各種団体から推薦された者(経済界代表、労働組合代表など)が就任することが多い。具体的な構成は審議会によって異なるが、その分野に応じて行政側がバランスを考えて選ぶのが一般的である。最近は委員の公募も行われるようになったものの、基本的には行政側が人選するといえる。