島挙げてムシャーマ 波照間、先祖供養と豊作祈願
日本最南端の有人島、竹富町の波照間島で旧盆に島をあげて多種多様な民俗芸能を演じる「ムシャーマ」が旧盆中日の17日(旧暦7月14日)、島を挙げて盛大に行われた。ミチサネ(仮装行列)と舞台での奉納芸能で、先祖供養や島民の無病息災、豊作・豊漁を祈願した。ボー(棒)やテーク(太鼓)、舞踊やニンブチャー(念仏踊り)など、島民総出で島最大の伝統行事を盛り上げた。 午前9時頃、波照間公民館で銅鑼が打ち鳴らされると、西、東、前組の順にミチサネが始まった。ミルクを先頭に各集落を出発し、島民らが列をなして集落内を練り歩いた。 公民館前の庭ではボー(棒)とテーク(太鼓)の演武が順に行われ、午前の部の最後には祖先に感謝し、供養するニンブチャー(念仏踊り)が盛大に繰り広げられた。 ニンブチャーでは中庭の中央にお酒とお供え物が運ばれると輪になった島民が歌に合わせ、うさぎ跳びのようにして跳ね、片手にタオルを持ち、輪になって踊った。 午後からは、公民館広場に設けられた舞台で西組、東組が一番コンギを演じ、各組が舞踊や狂言などを演じた。 西組のボーで1番ジンバイの長刀を演じた高校1年の貝盛巧弥君(16)は沖縄本島から帰省してムシャーマに参加。「ことし初めて本格的にムシャーマでボーを始めたが、本場の緊張もあってミスもあった。それでも伝統行事に関われたことはうれしかったし、これからも続けていきたい」と抱負を述べた。 テークで参加した前新城花奏さん(10)は「ずっと練習してきてめっちゃ良い出来だった。太鼓は重くて肩が痛いけど頑張ってできた。太鼓もそろってできて楽しかった」と笑顔を見せた。 仲底善章公民館長は「雨が晴れて無事できたことは良かった。毎年やっているが同じようにできることはうれしいこと。島の人口も減って総出でしても人が足りずに今の形態でできるか今後考えていかなくてはならない」と語った。