NGワードは「優勝」東福岡、Vへの思いは胸に秘めて目指す頂点【全国高校ラグビー】
全国高校ラグビー大会が27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。25大会連続35度目の出場となるBシードの東福岡は2大会前に優勝、前回は準優勝と2年連続で決勝へ進出。しかし今年のチームはこれまでの全国大会で上位へ勝ち進めなかった。3大会連続の決勝進出が懸かるが「優勝」の言葉を封印。古田学央主将(3年)を中心に「花園で1戦でも多く」を合言葉に1年間の集大成を見せる。 ■「ラガーマンの車って感じですね」福岡堅樹さんが新車紹介【写真】 花園では前回まで18大会連続ベスト8入り、2大会連続決勝進出とまさに「常勝軍団」。だが、今年の東福岡は近年にない厳しい挑戦になりそうだ。「今年は『優勝を狙っています』はNGワードです」と藤田監督をはじめ選手は「優勝」という言葉を封印している。 春の全国選抜大会は1回戦で目黒学院(東京)に24―28で敗れ、夏の全国7人制大会も予選リーグで敗れて優勝を争うトーナメントに進めなかった。無冠の全国大会だけでなく、6月の全九州大会では決勝で大分東明に敗れて8連覇を逃した。「花園では前々回も前回も3年生中心で下級生をほとんど使わなかった。経験値がなかった」と藤田監督は苦しんだ要因を挙げた。 選抜大会で初戦敗退してからまず取り組んだのは体づくりからだった。「フィジカルが弱くて前に出られなくてディフェンスがうまくいかなかった」と古田主将は春の試合を振り返る。「フィジカルづくりに一生懸命取り組んできました」と副主将の深田(3年)は春から体重が10キロ増加。全国大会で早く敗れたため、経験不足を埋めようと例年以上に練習試合の数をこなしてきた。 花園出場を決める11月の福岡県予選決勝は筑紫に80―5で快勝。5月の県大会では36―24で逆転勝ちした相手に大差をつけ、成長を見せつけた。 全国大会では実力校が選ばれるBシードになったが「前回までの実績が評価されたから。まだ優勝を目指す土俵には立っていない」と藤田監督は冷静に現在の実力を見ている。それは選手も同じ。「1日でも長く試合をするのが幸せだと思っています」と古田主将も優勝の二文字は心に秘めたまま。花園では挑戦者として全国の強豪に挑む。(前田泰子)