安達祐実が「人生最後」と背水の陣 NHKの“超意欲作”は「家なき子」を超えるか
私生活に注目も
その後、2010年のフジテレビ系「娼婦と淑女」や14年の映画「花宵道中」、20年のテレビ東京系「捨ててよ、安達さん。」などに主演。22年放送のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」では、25年ぶりに朝ドラ出演を果たした。 一方、プライベートでは、2005年にスピードワゴンの井戸田潤と結婚し、女児を出産したが離婚。2014年にカメラマンの桑島智輝と再婚、第2子となる男児を出産したが、昨年末に離婚を発表した。近年はそうした私生活のゴタゴタの方に、世間の関心が向いてしまっていた。そんな安達に、久々の大役が回ってきたかっこうだ。 「NHK土曜ドラマは日本を代表する大物俳優をキャスティングし、挑戦的でクセのある物語で知られています。昨年は亀梨和也主演『正義の天秤season2』、阿部寛と常盤貴子主演『遥かなる山の呼び声』、織田裕二主演『ガラパゴス』、草なぎ剛主演『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』が放送されました。今年も岸井ゆきの主演『お別れホスピタル』、中村倫也主演『Shrink-精神科医ヨワイ-』などが放送されています。 しかし、安達主演の『3000万』が異例なのは、今までの土曜ドラマが全2話から5話ほどであったのに比べ、全8話と倍近く長いこと。これだけ長いとそれなりの予算と脚本力が必要ですし、何より役者の演技力が求められます。予告編を見ると、格差が拡大している今の日本にありがちな女性派遣社員が、金銭への欲で修羅場を経験するストーリーのようです。『家なき子』の決めセリフとなった『同情するならカネをくれ!』の世界観も期待できるかもしれません」(前出の記者) もっとも海外ではドラマ制作にあたり、複数の脚本家による共同執筆が一般的だという。昨年7月期に放送され、最終話で19.6%という高視聴率をタタキ出したTBS系「VIVANT」の脚本も、八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈の各氏が担当。各話とも複数の脚本家がかかわっていた。 NHK関係者は「NHKも民放も全体的に制作予算が厳しくなっており、それに伴い大物脚本家の時代も終わりつつあります。Netflixなど配信ドラマに対抗するためにも、複数の脚本家がそれぞれの人生経験を持ち寄って、ブレスト会議をした方が面白い脚本になることもあります。今回の『3000万』が成功すれば『WDR』によるドラマ制作が局内で一気に増えるでしょう」と話す。 「3000万」のプロデューサーに名を連ねる上田明子氏は、NHK総合「よるドラ」枠で2019年4月に放送された金子大地主演「腐女子、うっかりゲイに告る。」の企画と演出を務めて、注目されたヤリ手。安達と青木以外の脇役として元宝塚歌劇団月組トップ娘役の愛希れいか、TBS系「VIVANT」の主人公・乃木憂助(堺雅人)の小学生時代を演じた子役の味元耀大(みもと・ようた)をキャスティングしているところもなかなかニクい。安達自身、「NHKのドラマ主演はこれが人生最後になるかも」と覚悟を決めるなど背水の陣だ。 日本のドラマでは見たことがないような、スリリングでスピーディーな展開が期待できるかもしれない。
デイリー新潮編集部
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