三菱UFJ銀行と証券2社に行政処分、金融庁に勧告へ…ファイアウォール規制に違反か
融資先企業の非公開情報を無断共有したなどとして、証券取引等監視委員会は14日にも、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の銀行と証券2社に金融商品取引法違反で行政処分を科すよう金融庁に勧告する方針を固めた。違反行為の一部には、銀行や証券の執行役員クラスの幹部が関わっていたという。金融庁は業務改善命令などの行政処分を検討する。
勧告対象となるのは、三菱UFJ銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券。
関係者によると、3社は、グループ内の銀行と証券が顧客の非公開情報を無断共有することを禁じる同法の「ファイアウォール(FW)規制」に違反し、複数の顧客企業の情報を共有。また、銀行が有価証券取引を勧誘することを禁じる規定にも反して、同行が顧客の求めに応じる形で融資条件の優遇を示唆しながら系列証券との取引を勧誘していた疑いがあるという。
3社の違反件数は合計で10件以上に上るとみられる。FW規制違反では、素材関連企業が2021年に行った事業統合など企業の経営戦略に関する重要情報も含まれていた。顧客が非公開情報の共有を拒否する意思表示をしたにもかかわらず、同行と証券それぞれの執行役員が共有していたり、顧客から無断共有をしていると指摘を受けたりしたケースも確認されたという。