[国スポ少年男子]三原則体現の愛媛県が前回準優勝・大阪府を撃破!「もっと愛媛が強いっていうところを見せていきたい」
[9.22 国スポ少年男子2回戦 大阪府 0-2 愛媛県 北部グラウンドA] 愛媛県が前回準優勝の大阪府撃破! 22日、「SAGA2024第78回国民スポーツ大会」サッカー競技少年男子の部2回戦が行われ、鳥栖市の鳥栖スタジアム北部グラウンドAでは大阪府と愛媛県が対戦。愛媛が2-0で勝ち、準々決勝進出を決めた。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 過去14大会連続初戦突破、その間に準優勝6回、4強4回の大阪を愛媛が撃破。愛媛の赤井秀一監督(愛媛FC)は、「受けて立つようことは絶対しないようにっていう話はしていた。やってくれたと思います」。2017年大会以来の1勝を挙げ、過去最高成績タイとなる8強入りを果たした。 大阪の先発はGK野畑優真(G大阪ユース、1年)、3バックが海保颯大(C大阪U-18、1年)、主将の横井佑弥(G大阪ユース、1年)、森岡悠大(C大阪U-18、1年)、アンカーに中島大翔(G大阪ユース、1年)、インサイドハーフに大島鉄平(C大阪U-18、1年)と丸尾康太(C大阪U-18、1年)が並び、右WB小堀厳咲(東海大大阪仰星高、1年)、左WB安井司(G大阪ユース、1年)。前線は塩尻哲平(C大阪U-18、1年)と川西啓斗(近大附高、1年)がコンビを組んだ。 一方の愛媛はGKが山田徠斗(愛媛U-18、1年)で右から高須賀蓮(愛媛U-18、1年)、曾我暖(今治U-18、1年)、石原拍(愛媛U-18、1年)、喜代吉三生(今治東中等教育学校、2年)の4バック。主将の渡邉俊史(松山北高、1年)と仙波隼太郎(愛媛 U-15、中3)のダブルボランチで右SH永易昂樹(今治U-18、2年)、左SH玉城千也(愛媛U-18、1年)、2トップを小松海晴(愛媛U-18、1年)と菅範十(愛媛U-18、1年)が務めた。 立ち上がり、大阪がクロス、FKからシュートを放つが、右サイドの永易中心に相手3バックの脇を狙って攻め返していた愛媛が先制点を挙げる。11分、右CKから永易が左足キック。これをニアの仙波が頭で逆サイドのネットへ流し込んだ。巧みにギャップを突く動きを見せていたU-15日本代表ボランチのゴールによって、愛媛が先制。愛媛はその後も永易のドリブルシュートなどで追加点を狙う。 対する大阪は、横井を中心に幅を活用しながらのビルドアップ。大島の飛び出しなどを交えて相手にプレッシャーをかける。25分には押し込んで連続シュートへ持ち込んだが、愛媛はGK山田とCB曾我が連続でブロック。大阪は丸尾、大島が攻守で活動量を増やし、奪い返しやシュートシーンに係わり、同点機を生み出していた。 だが、愛媛は中盤で渡邉や仙波がタフに戦っていたほか、石原、曾我の両CBが背後をケアしながら、ゴール前では身体を張った守備を継続する。GK山田が「球際、切り替え、ハードワークってところはもうチームの三原則としてやっているんで、(赤井監督は)『それが徹底できたら絶対勝てる』って話してくれてたんで、そこは全員で徹底していました」と説明したように、愛媛は小松、菅の2トップを含めて各選手が役割を徹底して1-0で前半を折り返した。 大阪は後半開始からFW西村凪隼(興國高、1年)を投入し、塩尻を左サイドへ移す。その塩尻が6分にカットインから右足シュート。直後には連続のCKから横井が決定的なヘッドを放った。また、13分には川西が頭でPAへ落とし、これに大島が飛び込む。だが、愛媛GK山田が飛び出してゴールを死守した。 愛媛は守備の時間が長くなっていたが、高須賀、喜代吉の両SBが相手に粘り強く身体を当て続けるなど1対1で健闘。赤井監督は「そこで負けたら難しいんで、そこは口酸っぱく『1対1、負けんなよ』と。選手が体現してくれました」。交代出場の左SB福石拳太郎(愛媛U-18、2年)やMF矢野泰聖(松山北高、1年)、FW俵拓斗(愛媛U-18、2年)も1対1で負けないことやハードワークすることを表現していた。 大阪は24分にMF吉野啓太(C大阪U-18、1年)とDF上野仁綺(桃山学院高、1年)を同時投入。フレッシュな選手がギアを上げようとする。だが愛媛は28分、カウンターから矢野が左サイドを攻め上がり、玉城が決定的な右足シュート。そして、29分、右サイドを攻略し、仙波のラストパスを玉城がゴールへ押し込んだ。大きな、大きな2点目。この後、愛媛はMF中本崇太(愛媛U-18、1年)を投入し、渡邉がDFラインに入る形で試合を締めた。 2-0で勝った愛媛の赤井監督は、「大阪にどれぐらいやれるかっていうのをちょっと試したかった。なかなか自分たちがやりたいようなゲーム運びではないですけど、まず勝つことで選手たちも自信つけると思うんで、次のゲームはもうちょっと自分たちが主導権に握れるようなゲームにしたいなとは思います」とコメント。インパクトのある勝利を果たした選手たちも、貪欲に次の白星を勝ち取りに行く意気込みだ。 仙波は「やっぱり愛媛って、全国の人から見たらそこまで強くない県っていうのがあって、そこまで注目されないところだと思うけれど、この国スポで『もっと愛媛が強い』っていうところを見せていきたい」と力を込め、GK山田は「(大阪戦で)勝ちたい気持ちは全面に見せれたかなと思うので、次の試合もハングリーに戦っていきたい」と誓った。 そして、石原は「次の大分も強いのですが、今日みたいに格上でも自分たちらしい前からどんどん行くサッカーをやっていきたい」。準々決勝で大分県に勝てば、U-18大会時を含めて初のベスト4進出。歴史を塗り替え、愛媛がもっと強いことを示す。