【朝日杯FS】「前走上がり最速」の「距離延長組」に注目 血統面でも傾向に合致、ダノンマッキンリー
傾向解説
中山芝2000mのホープフルSがGⅠに格上げされてから、短距離~マイル路線の2歳チャンピオン決定戦という位置付けにシフトした朝日杯FS。短距離馬も多く参戦するためハイペースになることが多く、完成度の高さとハイペース適性が求められる一戦です。本記事では2歳戦に強い血統を中心に、朝日杯FSのレース傾向を整理していきます。 【朝日杯フューチュリティステークス2023 注目馬】完成度やレースセンスの高さが最大の武器! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) まず、紹介したいデータは前走距離別成績。先週の阪神JFでも同様の傾向を挙げましたが、朝日杯FSにおいても芝1600m以上からのローテーションの成績が高水準となっています。日本競馬は芝1600~2500mを中心に番組が構成されており、2歳戦においても1500m以下のレースレベルは総じて低い傾向にあるため、基本的にはレベルの高い芝1600m以上で戦ってきた馬から狙うのがセオリーといえるでしょう。 ただ、朝日杯FSで注目したいのは前走上がり3F1位の距離延長。これに該当する馬は、芝1400m以下でのハイペース経験に加え、距離延長しても問題ないぐらい余力が大きい可能性が高いです。よって、期待値という点では高いパフォーマンスを期待できるのではないでしょうか。 <前走距離別成績(芝・過去6年)> 距離延長【1-1-2-35】勝率2.6%/連対率5.1%/複勝率10.3%/単回収率44%/複回収率76% →上がり3F1位【1-1-2-9】勝率7.7%/連対率15.4%/複勝率30.8%/単回収率134%/複回収率230% 同距離【4-4-3-27】勝率10.5%/連対率21.1%/複勝率28.9%/単回収率31%/複回収率39% 距離短縮【1-1-1-9】勝率8.3%/連対率16.7%/複勝率25.0%/単回収率65%/複回収率76% 血統面での注目は、オーストラリアで一大父系を築き上げたデインヒル。オーストラリア競馬は2歳戦と短距離戦が充実しており、そのカテゴリーを牽引してきたのがデインヒル父系です。同父系がつたえるスピードと早熟性は日本の2歳戦においても非常に強力で、先週の阪神JFでも取り上げた重要血統(母父Danehill Dancerのアスコリピチェーノが1着)。朝日杯FSでも過去9年の勝ち馬のうち4頭がデインヒルの血を内包しており、やはり2歳のマイル戦では非常に強力な血統といえるでしょう。ただ、日本で種牡馬入りしたハービンジャーは欧州の芝中長距離馬のため、同血脈は逆に避けた方がベターです。 <デインヒル内包馬(ハービンジャー経由を除く・過去6年)> 該当馬【3-1-1-7】勝率25.0%/連対率33.3%/複勝率41.7%/単回収率181%/複回収率75% また、スピードとタフさに長けたノーザンテーストにも注目。ノーザンテーストは1982~88、90~92年と10度の日本リーディングサイアーに輝いた大種牡馬ですが、血統的にはLady Angelaの3×2という野心的なインブリードが最大の特徴で、2023年の現在においても強い影響力を持つ血統のひとつです。特にホープフルSのGⅠ格上げ後はハイペース戦が続いているだけに、今年もノーザンテースト持ちの伏兵には要注意。2021年に8番人気で4着のアルナシームや2022年に16番人気で4着のキョウエイブリッサなど、惜しくも馬券圏外に沈んだ隠れ激走馬も少なくありません。 <ノーザンテースト内包馬(過去6年)> 該当馬【2-3-1-27】勝率6.1%/連対率15.2%/複勝率18.2%/単回収率23%/複回収率103%