服部樹咲&岡崎紗絵が語る「背中押してもらえるような存在」映画『BISHU ~世界でいちばん優しい服~』
映画「BISHU ~世界でいちばん優しい服~」が2024年10月11日(金)に先行公開、10月18日(金)に拡大公開される。 【写真を見る】映画「BISHU▲~世界でいちばん優しい服~」の魅力を語る服部樹咲&岡崎紗絵 主人公は発達障害に向き合いながらファッションの夢に挑戦する高校生・史織。姉・布美をはじめとする家族との葛藤や、夢に奮闘する姿が描かれる。 今回は史織を演じる服部樹咲と、姉・布美を演じる岡崎紗絵にインタビューを行い、映画の魅力やご自身の葛藤や決断について語ってもらった。 ――最初に脚本を読まれたときの感想や印象はいかがでしたか? 服部「映画の中で出てくるいろんな思いやりとか優しさの輪に入ったような気がする、本当に優しい映画になるだろうなと思いました。史織みたいな可愛らしい役を演じるのは初めてだったので、そこはすごくワクワクしていましたし、楽しみでした」 岡崎「私もすごく優しいお話だなと思いましたし、リアルだなって思いました。みんなの気持ちが分かるんですよね。全部『ああ分かるなぁ、リアルだな』と思いました。日常と離れていないから、この作品を身近に感じてもらえると思いました。また、自分の地元でお仕事できることはすごく嬉しいことですし、ファッションに絡んだお芝居ができるのが楽しみでした」 ――ご自身の演じる役に共感できる部分や魅力的な部分はありますか? 服部「史織の、一度決めたことにはまっすぐになる姿が私と似ていると思います。私は小さい頃からクラシックバレエをやっていたんですけど、その頃はバレエしか見ていなかったですし、一度決めた目標を掴み取るまで必死に頑張るというのは史織と重なる部分かなと思います。史織の嘘をつけないピュアな部分もすごく魅力的だなと思いますね。嘘つけないが故にポロッと出ちゃう面白い言葉が史織の魅力だなと思いました」 岡崎「私も妹がいて、やっぱり妹に対して『こうした方がうまくいくよ』とか『何やってんの』とか言いたくなる気持ちはすごく分かりますし、共感します。布美の魅力は愛情深い部分ですね。こうやってチクチクギャーギャー言うけど、それは史織のこと考えた上でのことだし。愛があるからアドバイスするし、正直で、愛情深い。そういうところが魅力的だと思います」 ――服部さんは長編初主演とのことですが、史織を演じるにあたって心がけたことはありますか? 服部「史織が発達障害と向き合う、というお話だったので、まずは発達障害について調べるところから始めました。発達障害を持っている当事者の方たちにお伺いする機会を頂いて、不便なことや自分の癖、特性、歩き方など詳しいことまで教えてくださいました。史織の動きや表情、目つきの表現はそこから得たものも多かったです。史織の動きは、その後も監督と話し合って細かく決めていきました。家族や友達の真理子 、満くんへの思いは、現場で演じながら徐々に芽生えていきました。史織の周りには、本当に優しい人しかいなかったので、すごく幸せでした」 ――史織を支える姉の布美は、才能のある妹とご自身の状況が複雑という難しい役どころでしたが、演じる上で気をつけたことや意識したことはありますか? 岡崎「最初のシーンは、ファッションの夢を追い求めて東京に出て、うまくいかなくて帰ってきた気まずい食卓のシーンなんです。それにも気づいてないピュアな史織だから姉も救われた部分もあると思います。史織にファッションの才能を叩きつけられてしまって、序盤は複雑な気持ちの方が大きいですが、やっぱり姉として妹の成長を見届けたいという思いがだんだん強くなっていったと思います。意識したことは、厳しく当たったりはしつつも、愛情を持っていたいなというところです。嫉妬してしまうんですけど、やっぱり妹のためになることは動きたい、後押ししたいという思いはあるという部分は意識しましたね。発達障害ということはあまり意識せず、ただ普通に姉としてそばにいるという感じだったと思います」 ――初共演ということで、お互いの印象や撮影時の思い出はありますか? 岡崎「初めて会ったのは本読みだよね?」 服部「うんうん。ずーっと可愛いと思ってました(笑)」 岡崎「嬉しい!」 服部「声も素敵ですし、ガールズバーのシーンを覗かせてもらった時に、めっちゃかわいくて(笑)衣装も髪の毛も顔も、超かわいかったです!」 岡崎「ありがとうございます(笑)」 ――岡崎さんはいかがですか? 岡崎「スラッと身長が高くて、お洋服とか何でも似合うんだろうなと思いました。台本読んだときに、その衣装を実際に着てショーに出るシーンはパリコレみたいになるんだろうなと思いました。まだ10代だよね?」 服部「そうです。18歳です」 岡崎「すごく落ち着いていて18歳ということを忘れそうになるんです。しゃべると可愛らしい部分がたくさんありました」 ――ご共演の吉田栄作さんのエピソードがあれば教えてください 服部「一人で撮影するシーン以外は常に吉田さんと一緒に居させてもらって、たくさん話しかけてくださいました。一緒に難しい工場の作業を練習したことが一番印象的です」 岡崎「愛があるゆえに厳しいお父さんの役なのですが、吉田さんはフランクな方で、みなさんとたくさんお話しされていたことがすごく印象的です。私の演じる布美は特にお父さんとぶつかるシーンが多かったので、その爆発力にギャップを感じました」 ――クランクイン前にお食事会があったそうですが、それも吉田さんの気遣いと言えるかもしれません 岡崎「みんなで行こうぜ!という感じがありがたいですね」 服部「とてもありがたかったです!」 ――本作中には、感情が揺れ動くキャラクターが登場すると思いますが、ご自身ではそういう経験はございますか? 服部「史織が夢に向かって進んでいく描写がありますが、私も昔はクラシックバレエをずっとやっていた中で、初めて母に『女優をやりたい』言う時の葛藤がすごい史織と重なりました。母の気持ちもすごく分かりますし、劇中のお父さん役の吉田さんの史織に対する気持ちもすごくわかります。どのキャラクターにも共感できたんですけど、やっぱり私はやりたいことはやりたいって貫くタイプだったので...」 ――その後はどうなったのですか? 服部「『バレエをやめるのは絶対ダメ』と言われていて。女優をやりたい気持ちを強くもっていた中で、ありがたいことにバレエを活かせるデビュー作のオーディションの話をいただきました。私の場合は運命的な出会いだったと思うんですが、『なんとしてでもやってみせる!』という気持ちさえあれば、その夢に近づけると私は思っています。夢を持ち続けてあきらめないでほしいというのを(皆様に)伝えたいですね」 ――岡崎さんは葛藤を乗り越えて、決断したという経験はありますか? 岡崎「自分の人生を振り返る中で、私も進学するのか、このお仕事一本でやって行くかという時の決断が大きかったと思います。岐路に立たされていましたが、このお仕事に興味がありましたし、チャンスを逃してしまうのは後悔しそうだと思っての決断でした。でも、私の場合は一人で決められなかったです。いろんな人に相談して、『こんな可能性があるよ』『こういうことをやってみたらいいんじゃない』などたくさん助言をもらって動けました。周りの方の助けがあっての決断だったなと思います」 ――今回、「尾州地域」と呼ばれる愛知県尾張西部エリアから岐阜県西濃エリアでの撮影をされたということですが、撮影中のロケ地の思い出はありますか? 服部「すごくあたたかい街という印象があります。完成した映画を見たときも、見ているだけでリラックスできるようなそんな街、風景だなと思います。私は中学も高校も全部東京なのですが、初めて地方の高校に実際に行ってみて、魅力いっぱいですごくいいなと思いました。ウールが有名ということはあまり知られていないと思うので、この映画を通してもっと尾州の街の魅力を伝えられたらいいなと思います」 岡崎「すごくのどかですよね。あとは糸の歴史がある街ですから、歴史を感じる場所もたくさんあって、建物自体ものすごく歴史がある場所で。昔ながらの場所っていろんなものが詰まっていて、それを今自分が実際体験できたり、触って感じることができたりできるということが自分のこれからの人生にもプラスになっていくと感じました。このような機会をいただけたのはすごくありがたかったです」 ――これから映画を見る方にメッセージをお願いします 服部「最初は、愛はありながらもそれぞれのキャラクターがいろんな思いを抱えて葛藤しますが、徐々に史織の気持ちに周りの人が気持ちを重ねて、しだいに史織の背中を押していくようになります。これからご覧になる皆さんにも、背中を押されるような、私も一歩前に進んでみようとか、前に進めるようなそんな存在の映画になるといいなと思います。たくさんの方の心に届いてほしいですし、史織の可愛らしさに癒されに、ぜひ見に来ていただけたらなと思います」 岡崎「すごく優しくて、とっても大きな愛の物語だなと思っています。いろんな種類の優しさを感じられる。それは、史織をきっかけにして大きく動き出すんですけど、いくつになってもどのタイミングでも、初めて知る感情とかがあって。みんなの成長物語でもあるので、この作品を観てくださった方が何を感じるのか、それがどうやってこれから作用するのかっていうのは私も気になるところではあります。背中を押される、そして気づきのある作品だなと思いますので皆さんに届けばいいなと思います」 文=HOMINIS編集部
HOMINIS