「虎に翼」星のどか役の尾碕真花、感銘を受けた伊藤沙莉の人間力とは?
航一の前妻の娘という役柄ののどか。「星家が猪爪家に近い家族の雰囲気だったら、父の再婚相手とかも受け入れられやすい雰囲気だと思いますが、星家の中で、実のお父さんとも溝が埋まっていない中、自分の家族とは全然違うトラちゃんみたいな人が来るというのは、子供としては複雑に感じる部分があると思いました」と分析し、「相手を受け入れようとするけど、受け入れられないのどかの思いを考えて演じました」と撮影を振り返った。
そんなのどかの特徴の一つとして“目が笑っていない演技”を求められることも。「口角だけ上げて笑おうと。でも現場があまりにも楽しいので、笑いをこらえる方が大変でした。私はあんまり目が死なないと言われることが多いので、目から光を失くす演技は難しかったですね。アニメでいえば黒目の中のキラキラとしたハイライトを失くすような感じだと思います」と苦労を明かした。
主演・伊藤沙莉から得た役者としての学び
兄・朋一役の井上祐貴とは、NHKの夜ドラ「卒業タイムリミット」(2022)で共演経験はあったが、ほかの共演者とはほぼ本作が初めての共演だったという尾碕。「撮影の合間も、みなさん、すごくナチュラルにその場にいるんです。もちろん役を作ってはいると思うんですけど、本当にその人がそこに存在しているかのように振る舞うんです。伊藤さんとお話ししているというよりはトラちゃんと会話している感じ。カメラが回って切り替えるという感じでなく、現場に入った時から切り替えているんだろうなと感じました」と語る。 「最初の時は、みなさんの方から『好きな食べ物はなんですか?』とコミュニケーションをとってくださる感じでした。『入れてあげよう、おいでおいで』という感じではなく、自然と会話を投げてくださって、気がつくと、私も輪の中に入れてくださっていました。すごくありがたかったですね」と振り返った。
伊藤からは座長としてのあり方も学んだ。「和やかな雰囲気の中、急に現場がピリッとするときもあるんです。でも、伊藤さんはその雰囲気の変化をすごく敏感に察知して、さらっと話題を変えてくれたり、現場をいい雰囲気に持っていこうとされるんです。自分がではなくて、どうすれば周りがいやすくなるかという環境づくりを率先してされている印象を受けました。これが座長なんだなってすごく感銘を受けましたね」と間近で見た伊藤の印象を明かした。