全米の大学で「反イスラエル」デモ激化 学生たちを突き動かすものは“当事者意識”?
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。 5月8日(水)のテーマは「全米に広がる大学での親パレスチナの抗議行動について NYのZ世代の本音直撃」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、学生による親パレスチナデモについて語りました。
◆抗議活動すべてが過激な内容ではない
2023年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを襲撃し、イスラエルが報復攻撃を開始。以降、米国各地の大学で、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に抗議するデモが広がっています。 親パレスチナの抗議行動が拡大した原因は、ニューヨークの名門大学であるコロンビア大学のデモです。正門の内外で抗議活動していた学生およそ100人を逮捕。その後、校舎内を不法占拠したとして、さらに100人以上が逮捕されたのを引き金に、運動は全米でエスカレートしました。 同じ頃、コロンビア大学から地下鉄で2駅のシティカレッジでも、多くの学生が逮捕されました。シティカレッジで医学を学ぶミクアは、抗議活動の内情を説明します。 ミクア:学生たちは去年から抗議活動をしていたんだよ。だけど混乱も暴力もなく、学生たちがキャンパスに集まるような簡単な抗議活動だった。それはとても組織的で、彼らはInstagramのアカウントにスケジュールを発表していた。集会の場所や時間を教えてくれるんだ。 ただ抗議するだけではなくて、教育的な活動もあったよ。メディア対応のトレーニングなどね。キャンパスの広場で話を聞いたり動画を観たり、さまざまなことを教えてくれてとても生産的だと思った。 最近、コロンビア大学や、UCLA、USC、エモリー大学など、本当に大きな大学、アイビーリーグの大学などで、たくさんの学生が抗議している。そして、規模が大きくなるにつれて暴力的なものにもなっている。コロンビア大学で起こったことは多くの人に苛立ちを与えたよね。とても暴力的になり、学生たちが警察から嫌がらせを受けたり、多くの学生が逮捕されたから。 学校のスタッフが学生に向かって「(抗議活動を)やめないと停学になるか逮捕されるかだよ」と言っているのを見て、ますます苛立ちが高まったんだと思う。 ミクアいわく、シティカレッジの抗議行動はとても平和的なものでした。インタビューに来たメディアへの対応方法を学習したり、現状を詳しく知れたりと、生産的な内容であったそうです。ところが、全米の大学に活動が広がっていくにつれて暴力が発生。そのために大きく報道されるようにもなりました。