若かりしイーストウッドが監督・主演で輝く!アメリカ建国200年記念作品 『アウトロー(1976)』
クリント・イーストウッドといえば、言わずと知れたハリウッド映画界のレジェンドと呼べる存在だ。洋画、いや映画そのものに興味がなくとも、一度はその名前を聞いたことがあるかもしれない。 【写真を見る】若かりし頃のクリント・イーストウッド イーストウッドは俳優・監督として数多くの成功を収めてきた。ハリー・キャラハン役を演じた『ダーティハリー』シリーズは言うまでもなく代表作。監督としても『ミリオンダラー・ベイビー(2004)』でアカデミー監督賞を受賞し、以降も『硫黄島からの手紙(2006)』や『ハドソン川の奇跡(2016)』など名作を世に送り出してきた。 ■『アウトロー(1976)』の奥深いテーマ そのイーストウッドが監督兼主演として高い評価を集めるのが映画『アウトロー(1976)』だ。1975年の小説『The Rebel Outlaw: Josey Wales』が原作となっており、アメリカ建国200年記念として制作された。 南北戦争後の時代が舞台となった西部劇で、農夫ジョージー・ウェールズをイーストウッドが演じる。ならず者集団である"赤足"に妻と息子を殺されたウェールズが復讐を誓い、北軍と戦っていくという物語となっている。 本作の大きな魅力となっているのが、主人公であるウェールズがとにかく強いということ。元々は農夫でありながら、ガンマンとしての才能を遺憾なく発揮し、どのような状況もくぐり抜ける。ウェールズの首を狙う賞金稼ぎたちを次々と退ける姿は爽快で、交易所での二丁拳銃のさばきは本作のハイライトのひとつだろう。 激しい銃撃戦を繰り広げ、最終的には復讐は成し遂げられるわけだが、それ以上に「再生」を感じさせるのがこの作品の特徴でもある。イーストウッドの作品はもちろん、近年の映画界を見渡しても復讐をテーマとした作品は数多い。その大半が復讐を決意する方法や経緯のアクションなどが、大きな魅力となっている。 『アウトロー(1976)』はロードムービーの体裁を取っている。ならず者と言いながらウェールズは旅をする中でどんどんと仲間を増やしていき、心を通わすシーンも描き出されいる。 単なる復讐を心に秘めていたはずのウェールズが人助けをし、いつの間にか仲間のために戦う。その過程を美しく描き、作品全体から家族のような強い結びつきを感じることができるようになっていることで、暗い物語とはなっていない。 ■イーストウッド作品の魅力 現在は94歳となり、白髪となったイーストウッドだが、本作ではヒュー・ジャックマンかと見紛うハンサムな若かりし頃も見ることができる。イーストウッドが作品内で銃を扱うことは少なくないが、二丁拳銃で戦う姿は新しく見え、まさにクールそのもの。何かあるたびにつばを吐く姿さえかっこよく見えるのは、当時40代のイーストウッドが演じているからこその味とも言えるだろう。 改めて感じさせられるのが、イーストウッドが一番輝く瞬間こそイーストウッド監督の作品の中だということ。とにかく強いアウトローを演じながら、ラストシーンでは一人で皆の元を立ち去る。イーストウッドが監督としていかに自身を際立たせているかというのが見て取れる。 また、イーストウッド監督らしい作品となっていることも加えておく必要がある。イーストウッドは"歴史・戦争"をテーマにメガホンをとってきており、現在までの作品にも通ずる部分は非常に大きい。第65回アカデミー賞作品賞を受賞した『許されざる者(1992)』とは同じ西部劇、そしてアウトローが登場するなど共通点も多く、『アウトロー(1976)』がイーストウッド監督の原点ともなっているのかもしれない。 文=まっつ
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