小泉進次郎の税政策は…国民負担率45%、物価高の日本は大丈夫なのか
自民党総裁選が幕を明け、小泉進次郎議員に注目が集まっている。しかし、国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏は「小泉進次郎が総理になっても増税路線が継続するだけ」と警鐘をならす。また、「小泉進次郎議員が下馬評通り『本当に馬鹿であれば』、経済・財政運営に関する議論はそもそもできない」とも指摘する。日本の国民負担率は45%・一体、小泉氏は何を企てていくのか。総裁選緊急企画「増税の王子様」全3回。第1回は増税の王子様、小泉氏がなぜ「増税派」なのかを解説するーー。
「岸田政権は増税している」というのが実態
老若男女問わず、アンデルセン童話の「はだかの王様」は有名な作品だ。ストーリーの筋は、王様が「馬鹿には見えない」生地で作られた衣装を着たところ、皆が馬鹿だと思われることを嫌い、側近の大臣や国民たちはそれを褒め称えたが、小さな子どもが「王様ははだかだ!」と声を上げる、というものだ。 自民党の国会議員たちは「岸田政権は増税していない。そのため、増税メガネ、という仇名は不適切だ!」と嘯いてきた。一部の悪質なインフルエンサーがそれらを拡散し、岸田政権は増税していない、という言説が一部のSNS界隈では今でも実しやかに語られている。 実際には、岸田政権が推進した防衛増税や子育て支援金に伴う社会保険料増加は各1兆円の国民負担増をもたらす予定であり、昨年5月にはGX賦課金導入や電力会社の排出権買取義務付けなどの巨額の実質増税をもたらす法案も可決している。平たく言うと「岸田政権は増税している」というのが実態だ。しかし、イエスマン集団と化した自民党国会議員やそれを支持するインフルエンサーは、その単純な事実を誤魔化すか矮小化し続けてきたのだ。
「岸田は増税している、私なら増税をゼロにする!」と言葉を発した男
「はだかの王様」である岸田首相に対して、国民は「増税メガネ」という呼称をつけることで事実を指摘してきたが、自民党内からは事実を確認する明確な声は上がってこなかった。しかし、今年8月、王様の退任が決まったことで、王様の最側近であるはずの人物が「王様は増税している!」と突然叫んだのだから、王様の家臣である自民党国会議員たちの間に動揺が起きた。 「岸田は増税している、私なら増税をゼロにする!」と言葉を発したのは、自民党総裁に次ぐ党内序列2位の茂木敏光幹事長だ。党幹事長は自民党総裁を支える最重要人物であるが、その幹事長が岸田政権の増税を公に認めた上、それを停止すると述べたのだから一大事だ。