世界に羽ばたく日本の豪華棺桶 ── 故人を悼む気持ちを輸出する
反転攻勢をかけるメイド・イン・ジャパン棺桶
日本コフィンによると、2007年に輸入棺桶の割合が国内産を超え、現在では国内で流通する棺桶の約9割が中国など人件費の安い海外からの輸入品となった。そこに反転攻勢をかけるということだが、どういうことなのか? 平山社長は「現在、欧米では土葬から火葬に変わる変革期を迎えています。今は火葬が30%ですが、増加傾向にあります。好まれるのは和風デザインです」と説明する。 土葬文化が主流の中国でも、火葬に変わりつつあるという。しかし、日本と違うのは葬式で故人を棺桶に入れるが、実際に火葬の段になると、故人を棺桶から取り出してしまうことがあるらしい。日本人にはとても想像できないが、「棺桶のレンタル」が起きている。 平山社長は、海外と日本の棺桶を比べて「作り手の気持ちが違う」と説明する。「海外の方は死に対して冷めている。例えば海外の業者に動物の棺桶を作ってもらおうとすると、『なんで動物の棺桶が必要なのだ』という顔をする」。こちらから言葉で説明しても、「ものづくりの限界」を感じるのだという。 「葬儀をやるということは、亡くなられた方とのお別れを通して、自分を振り返ることでもある。『故人を尊重する豊かな葬儀』というのがこれからのキャッチフレーズになるでしょう」と平山社長。だから同社は、豪華棺桶という”製品”とともに、故人を悼む気持ちをも輸出しようとしている。 (撮影:山本宏樹)