生成AIで『役所で2週間かかる作業が2日に短縮』将来は高齢者の“見守り”もできるかも 一方で実は「チャットGPT」を1日運用するのに1億円!?消費電力・不正確性・偽情報など課題も
もし「大阪の道頓堀を泳ぐライオン」を描きたいといったときには、従来型では「道頓堀を泳ぐライオン」というキーワードから最適なものを出すため、ぴったりの絵を描いた人がいなければ、ライオンの絵が出てきたり道頓堀の絵が出てきたり、近いものを提示するレベルでした。しかし生成AIでは自分で考えて学習して新たに作ってくれます。 そんな生成AIですが、課題はあります。ITジャーナリスト三上洋さんによりますと、「生成AIで知らないことを調べてはいけない」、つまり知らないことを教えてもらうツールではないということです。なぜかというと、AIは人工知能と言われていますが、人間のように頭脳を働かせるわけではなく、巨大な連想ゲームのようなイメージで、大量の世界中のテキストなどを蓄積して、その出現パターンを学習しています。 例えば「日本一の」「山は」ときたら多くの文章が「富士山」ということを学習して、「日本一の山は」と聞かれたときに「富士山です」と答えています。そのため、「天下統一を目指した」「織田」と言えば「信長」が出てきますが、“フィギュアスケート選手の織田信成さんが天下統一を目指して…”といった記事が世の中に多く出てきたら悩み始める、というように、不正確性はどうしても出てきてしまうということです。
AI活用で作業時間を大幅削減している役所も!
実際に役所などでも使われています。大分県の別府市役所では去年11月にチャットGPTを導入していて、市に寄せられた声について「質問」「意見」「営業案件」の3パターンに自動で振り分けてくれるということです。また、キャッチコピーのアイデア出し、祝辞式辞の挨拶文、会議資料作成などでも活用されていて、通常1人で2週間かかる作業が2日に短縮されているそうです。 神戸市でも活用されていて、解体改修工事が必要な建築物というのが数千か所あるそうですが、どれからやるかという30分以上かかる絞り込み作業が数秒で終わるということです。