全国高校総体で優勝し、笑顔を見せる荻原大地（左）と恩師の江口朝永さん（江口さん提供）

　パリ五輪の水球男子の荻原大地（２１）＝日体大４年＝と、フェンシング女子サーブル団体の尾崎世梨（２１）＝法政大４年＝は鹿児島南高（鹿児島市）の同期だ。３年間同じクラスで、出席番号は５番、６番と隣り合わせ。アスリートとして互いに刺激を受ける２人の晴れ舞台に、恩師は胸を躍らせる。 【写真】卒業証書を手にする鹿児島南高時代の尾崎世梨（右）とフェンシング部監督の大坪昭仁さん（尾崎選手提供）

　荻原は地元谷山で育ち、尾崎は北海道からフェンシング留学で同校に進んだ。出身地や競技は異なるが、五輪までの軌跡は似る。 　高校時代に目標の全国制覇を達成すると、大学進学後さらに実力を伸ばし、ともに大学２年で日本代表に選ばれた。 　荻原は「尾崎さんは高校のときから国際大会に出ていて、自分ももっと上を目指さないといけないと思わされた」と語る。一足早く荻原がパリ行きをつかむと、尾崎は「うれしいと同時に、自分もできると気合が入った」と明かす。 　当時２人の担任で水球部監督だった江口朝永さん（４３）＝山川高教＝は「同じクラスから２人の五輪選手が出るのは、すごいの一言。苦悩も見てきただけにパリでは学生らしく、はつらつとプレーしてほしい」と話す。 　尾崎を指導したフェンシング部監督の大坪昭仁さん（４２）と、江口さんも鹿南高の同級生で、奇遇にも出席番号が同じ５番と６番だった。大坪さんは「不思議な縁。２人とも活躍して母校にいいニュースを届けてほしい」と望む。

　恩師の期待にたがわず、荻原は７月２８日から始まった１次リーグ３試合に出場。３日、初勝利を目指し強豪スペインと戦う。尾崎も３日、女子サーブル団体準々決勝に臨む。補欠登録だが、力強い攻撃を得意にする伸び盛りとあって切り札で出場する可能性がある。