【ステイヤーズS】「距離はあればあるほうがいい」豊富なスタミナと成長力武器にフルールの挑戦が花開く/新人記者のトレセン日記
[GⅡステイヤーズステークス=2024年11月30日(土曜)3歳上、中山競馬場・芝内3600メートル] 【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 今週土曜(30日)に行われるGⅡステイヤーズSの舞台は中山芝内3600メートル。年に一度しか使われない激レアな条件に格上挑戦するフルール(牝4・上原佑)の取材をしてきました。 条件馬の身で重賞に挑戦する理由は馬自身の良さ、すなわち豊富なスタミナを引き出したいから。「(長距離の)適性は高いと思います。ここ(ステイヤーズS)が一番いいと思いますし、だから格上でも挑戦します。中山の二五(4週目のグレイトフルS)もありますが、さらに長いところに適性があると思います」と上原佑調教師。どんなレースをイメージしているのか聞いてみると「もともとマイペースな馬ですが、そこを生かしていけるように。なるべく省エネで行って、スタミナを生かすレースにしたいです」。 馬も成長しています。前走(古都S3着=京都芝外3000メートル)はプラス10キロ。もともと輸送で体重が減る傾向があったのに減りませんでした。「(体重が減らないのは)精神的な成長が大きいです。4歳秋で馬が充実してくる時ですから」と師はフルールの成長を喜びます。その後も「緩めず調整できていて、前走より状態は上ですよ」とのことですから期待は十分。前走は体重も減らず、あまりに元気すぎたために「思ったより力んでラスト甘くなってしまった」と言いますが、叩き2戦目でその心配もなさそう。師がレースのカギとして挙げる「リラックスして走れるか」という課題もクリアしてくれると思います。 取材で何度も出てきた「距離はあればあるほうがいい」という言葉からは、高い長距離適性と勝負度合いが感じられました。ステイヤーズS経験馬や勝ち馬もいる中で、豊富なスタミナと成長力を武器にチャレンジャーとして立ち向かうフルールの雄姿を応援したいです。
栗栖 歩乃花