筒香嘉智の復帰即逆転3ランにベイOBも興奮!二軍の打率1割台でも力を発揮できた理由とは!?
「まさか復帰初戦で打つとは…。鳥肌が立ちましたね。巡ってくるチャンスに対して、本人がしっかりと準備してきたからこそ、野球の神様が微笑んでくれたと思いますよね」 そう語るのはベイスターズOB・冨田康祐氏である。12年から14年までベイスターズに在籍していた投手だ。 【一覧】横浜高OBでNPB通算1000安打以上を記録している選手 筒香嘉智がド派手なDeNA復帰をはたした。一軍登録即スタメンとなった5月6日ハマスタを熱狂に包む逆転3ランを放ったのである。 筒香の一軍昇格は、時期尚早という声もあった。実戦からは長く遠ざかっており、日本復帰後の二軍での打撃成績は17打数3安打、打率は.176だった。復帰当初の打席では振り遅れも目立ち、不安な状態に見えたのだが……。 「二軍での成績は良くありませんでしたが、筒香の中で『行ける』という感覚があったのでしょう。これは一流選手の領域に達した選手しか分からない感覚だと思います。私もそれはできませんでした。 若手選手と違って、筒香は二軍の成績がそれほど重要視されていません。調整をする中で、スイング軌道、強さ、タイミングのズレなどを修正していきます。二軍でも結果が出ることに越したことはありませんが、大切なのは本人の感覚なんです。二軍よりも一軍のほうが力を発揮したり、結果を残す選手がいますが、それが筒香なのでしょう。それができるからこそ、超一流の実績を残していったと思います」 筒香はまだ復調過程であるが、打線にいるのは大きな存在になる。 「相手投手の立場からすれば、筒香のような実績のある打者の存在はプレッシャーになります。復帰初日にあんなホームランを打ったので、さらに嫌ですよね。野球はメンタルに左右されるスポーツですので、筒香自身もさらに勢いに乗ると思いますし、打線にも良い影響を与えてくれるでしょう」 4月、筒香が日本球界復帰の際にも冨田氏は彼の準備力の高さ、意識の高さを評価していた。富田氏はベテランこそ何気ないことをとことん大事にするという。 「若いうちには分からないことが経験を重ねたことは自分なりの準備、ルーティンがあって、地味に見えるようなことでも、自分がやれる形を淡々とこなしています。僕はベイスターズに在籍していた時、投手の先輩方をよく見ていましたけど、高橋尚成さん、藤井秀悟さん、久保康友さん、山本省吾さん、江尻慎太郎さんなど一軍でも実績を残した投手が多くいました。その方々は準備というのは大事にされていた面がありますね」 この本塁打でさらに勢いに乗るベイスターズ。横浜スタジアムで行われる8日のヤクルト戦でも筒香は強打を発揮するのか注目だ。