EU中国関係、欧州経営者の半数以上が悪化予想 デリスキング懸念
[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州産業家円卓会議(ERT)が29日発表した調査によると、欧州企業トップの半数以上が今後3年間で欧州と中国の関係が悪化すると予想している。 欧州連合(EU)のデリスキング(リスク低減)戦略と、中国とロシアの緊密な関係が最大の摩擦要因として挙げられた。 ERTによると、調査対象の54%がEUと中国の関係は悪化するとみており、改善するとの見方は7%にとどまった。 多国籍企業では中国拠点の経営者の方が欧州の経営者よりも楽観的で、関係に変化がないとの予想が悪化予想を上回った。いずれも重要な鉱物や技術などで中国への依存を減らすEUのデリスキング戦略を摩擦の最大の要因に挙げた。 中国とロシアの「新時代」のパートナーシップも重要なリスクとみており、中国拠点の経営者にこの傾向が強かった。 中国の対米関係と過剰生産能力も将来的に摩擦が生じる重要な分野とみられている。 今回の調査では経営者が2021年後半以降で最も楽観的になっていることが示された。ただ楽観的な見方の高まりは、欧州内ではなく欧州外の見通しに主に関係していた。 6月6─9日の欧州議会選挙後に誕生するEUの新指導部が規制を簡素化しEU単一市場を完成させることで、欧州の経済見通しに最も大きなプラスの影響を与えると予想した。